読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

にきび治療薬 過酸化ベンゾイル(ベピオゲル2.5%)

 2014年12月 新しいにきび治療薬「ベピオゲル」が承認となりました。べピオゲルは過酸化ベンゾイルを有効成分としたにきび治療薬です。

http://www.maruho.co.jp/release/rvcck40000004vb3-att/20141226_pr_jpn.pdf

 過酸化ベンゾイルは本邦初となりますが、欧米ではガイドラインにおいて標準的な治療薬となっており、日本皮膚科学会の要望にてマルホ株式会社が開発したという経緯だそうです。

 

にきびについて復習

〈尋常性ざ瘡(じんしょうせいざそう)〉

 ホルモンの影響などにより皮脂の分泌が活発となり、毛穴に皮脂が詰まって、閉鎖面皰(白ニキビ)となり、毛穴が開くと開放面皰(黒ニキビ)となり、アクネ菌が増殖して炎症を起こすと、炎症性丘疹(赤ニキビ)、膿をもった膿疱ができる。さらに悪化すると嚢腫、硬結となり、にきび痕を残すこともある。

好発部位:顔や、肩、背中、胸の上部

にきびの原因:不規則な食生活、睡眠不足、ストレス、便秘、紫外線、不適切なスキンケアなど

食生活の改善:脂肪分を控えて、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCなどのビタミンや食物繊維をとる

[にきびのスキンケア]

洗顔:1日2回(多すぎても良くない)、刺激の少ない洗顔料、よく泡立ててやさしく洗う、洗顔料をよくすすぐ、洗顔後は乳液や化粧水で保湿

※スキンケア製品はノンコメドジェニック(にきびができにくい)表示のものを選ぶ。油性成分が多いものは良くない。

洗髪:シャンプーやリンスの洗い残しが肌に残らないようにする

その他:髪の毛の毛先がおでこやあごにあたらないような髪型を(毛先による刺激が良くない)。

 

 〈にきびの治療〉

日本皮膚科学会ガイドラインより推奨度Aをピックアップ

面皰:アダパレン外用(ディフェリンゲル)

炎症性丘疹

推奨外用抗菌薬:クリンダマイシン(ダラシンTゲル)、ナジフロキサシン(アクアチム)ともに1日2回塗布

推奨内服抗菌薬

  • グレードA:ミノサイクリン(ミノマイシン)、ドキシサイクリン(ビブラマイシン)
  • グレードB:ロキシスロマイシン(ルリッド)
  • グレードC:クラリスロマイシン、ファロペネム、レボフロキサシンなど

(上記の中で、ざ瘡の保険適応があるのは、ロキシスロマイシン、ファロペネム、レボフロキサシン)

 

アダパレン外用(ディフェリンゲル)のDI〉

作用:レチノイド様作用。角化異常を正常化し、毛穴が狭くなるのを防ぎ毛穴の詰まりを取り除く。面皰や炎症性丘疹に効果あり。

適応:尋常性ざ瘡。顔面にのみ使用

用法:1日1回寝る前

禁忌:妊婦

小児への投与:12歳未満には安全性未確立

重要な基本的注意:傷、湿疹、目や唇など粘膜を避ける。紫外線避ける。

副作用:乾燥、ヒリヒリ感、かゆみ、皮膚剥脱(皮膚から粉をふくような感じ)、紅斑(赤くなる)などの症状があらわれるが多くは2週間以内で一過性。軽減しない場合は必要に応じて休薬(ノンコメドジェニック試験をとおった低刺激性ヘパリン類似物質含有保湿剤を併用することで脱落例減少)。

[ディフェリンと抗菌外用薬との併用の使用法]

朝:洗顔⇒保湿⇒抗菌薬(外出するなら日焼け止め)

夜:洗顔⇒保湿⇒ディフェリン⇒抗菌薬

ディフェリンはにきびができている部位に面で塗り、抗菌薬は赤ニキビに塗る。

 

 過酸化ベンゾイルのガイドライン上の位置づけはどうなるのか、どのような併用療法が推奨されるのか、まだまだ不明な点が多いですが、治療の選択肢が増えるのは良い事だと思います(グラクソはクリンダマイシン-過酸化ベンゾイル配合ゲルを承認申請しています)。

 

最後にベピオゲルのDIです。 

〈ベピオゲル2.5%のDI〉

適応:尋常性ざ瘡

用法:1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布

重要な基本的注意

  • 過敏反応や重度な皮膚刺激⇒使用中止
  • 皮膚剥脱(鱗屑・落屑)、紅斑、刺激感⇒必要に応じて休薬
  • 使用中は日光の暴露を最小限にとどめる。日焼けランプや紫外線療法は不可

副作用:皮膚剥脱(鱗屑)18.6%、刺激感14.0%、紅斑13.8%、乾燥7.4%

小児への投与:12歳未満は安全性未確立

使用上の注意

  • 漂白作用あり。髪や衣料に付着しないようにする
  • 他の外用剤との使用で皮膚刺激症状が増すことがある
  • 目や唇、傷口など粘膜には使用しない

 

※より詳しいDI情報がわかり次第、更新する予定です。