pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。また、無断転載はご遠慮ください。

リブート企画 Back to TAICOCLUB'13

時が止まって、はや3年…
今年も年末だというのに遊びにいくのを我慢して、自宅でビー玉みたいな目をしてRIZINを観てます。

さて、昔の楽しかったことを記録に残しておこうということで、リブート企画ふたたび。
日時は2013年6月1日
Back to タイコクラブ2013!


https://taicoclub.com/13/files/2013/05/timetable.pdf

自分が観たのは

クラムボン

Machinedrum

Prefuse 73

電気グルーヴ

Clark

意識なし

Ricardo Villalobos

Zip

クラムボンは友達と合流してまったり芝生に寝転がって聴いてました。
そして、Machinedrum!
これがヤバかった。
2013年の公式映像はないのですが、同イベントの2012年の映像がDAX -Space Showerの公式にアップされています。
youtu.be
もうヤバすぎて、踊り狂いました!
味わったことのないリズムとビートに「なにこれ!?なにこれ!?」て翻弄されたのを鮮明に覚えています。
これがベストアクトだったかも!

次は、昔から好きだったPrefuse 73
やっぱかっこいい
でも、Machinedrumが凄すぎた。
順番、逆のほうがよかったかもなぁ~。

これがサブステージで、このあとメインへ移動
電気グルーヴが大暴れしているところを、後方でお酒を飲みながら友達と鑑賞
これも記憶に覚えているのですが、地面が揺れていた!
電気グルーヴのお客さん、ヤベぇ!!

そして、Clark!
このあたりから自分の記憶は曖昧…(もったいねぇ!)。
次のMagdaも意識が飛んでいる状態で踊ってたんだと思います。あるいはそのヘンでぶっ倒れてたのかも
夜中、めちゃくちゃ寒かったので、ポンチョを買ったのを覚えてます。

朝になって、念願のRicardo Villalobos!(すでに残りのライフはゼロだったけど…)
youtu.be
ピークタイム過ぎてからの出番だったので、アゲることなく、リカルドらしい変態ミニマルな展開で、自分は亡霊のようにゆらゆら踊ってました。
そのあとZipにバトンタッチして、Perlon臭全開!
※Perlon:ベルリンのレーベル。データ販売ナシでアナログオンリー。

これぞタイコクラブ!って感じのすばらしいフェスでした!
残念ながらタイコクラブ@こだまの森(長野県)は数年前に終焉してしまったので、本当に悲しい…。
こだまの森でのイベントとして後をついだFFKTにいつか行ってみたいと思っています。

副作用として”HDL低下”と記載されている薬ってゾコーバ以外にどれくらいある?

いろんな意味で話題のゾコーバ(エンシトレルビル)
有効性については…、他の先生方が言及するでしょうからスルー
「?」ってなった添付文書の副作用項目の「HDLコレステロール低下(16.6%)」

HDLは善玉コレステロールのことで、脂質異常症の診断基準は40mg/dL未満で低HDL血症(動脈硬化性疾患ガイドライン2017年)、基準範囲は約40~100mg/dL(臨床検査のガイドラインJSLM2021)
”善玉”ですから、低いのはあまりよろしくない的な位置づけ

HDLの推移はインタビューフォームに載っています。


インタビューフォームP70より

国産国産っていうわりに、検査の単位がmmol/Lって…
mg/dLで表記してほしいですね。
1mmol/L=38.7mg/dL

承認用量は「12歳以上の小児及び成人にはエンシトレルビルとして 1 日目は 375mgを、2日目から 5日目は 125mgを 1日 1回経口投与」ということなので、図の黒丸を参照しましょうか。6日目でプラセボよりも0.5mmol/Lつまり20mg/dLくらい減ってるようです。2週目にはほぼ元通りになっているようですが、プラセボ群とは明白に異なる推移を辿っています。
ベースラインと比較するとほぼ半減しているので、添付文書上の(16.6%)というのは変化率ではなく、HDL低下した人の割合でしょうか。HDLがどれくらい低下した人を、低下した人の割合に含んでいるんでしょうね。
平均値がベースラインと比べて半減するってかなり多くの人がHDL低下をきたしているようにも思えるのですが(プラセボ群もやや低下しているのでコロナ感染の影響もあるのかも??)。

一過性の変化のようなので、これがどのような臨床的意義を持つのか私にはわかりません。
ただ、あまり耳にしない副作用だな…という気もします。
発生機序も気になるところ…。
他にHDL低下をきたす薬はあるのでしょうか


添付文書の副作用項目で文字列検索(「HDL」)をすると、ヒット数はたった91件。増加か低下かわかりませんが、HDLという文字列が「副作用項目」に含まれる添付文書が91件です。たくさんあるように見えますが、ジェネリックがたくさん出ている薬はその分だけ上乗せされます(ジェネリックが10品目あれば10でカウント)

アリピプラゾール(エビリファイ)HDL上昇:1~5%、HDL低下:1%未満
エストラジオールゲル(ディビゲル)HDL上昇:0.1~1%
酢酸亜鉛水和物(ノベルジン)HDL減少:0.1~5%
サリドマイド(サレド):HDL増加:5%未満
ソマトロピン(グロウジェクト)HDL低下:2%未満
チラブルチニブ(ベレキシブル)HDL減少:頻度不明
トシリズマブ(アクテムラ皮下注)HDL増加:1%以上
ニコランジル注(シグマート注)HDL減少:1%未満
ビソプロロールテープ(ビソノテープ)HDL増加:1%未満(参考:内服薬「メインテート」には記載なし」 ノイズかも…)
ベタキソロール(ケルロング)HDL低下:0.1~5%
ボグリボース(ベイスン)HDL低下:0.1~5%

(腹膜透析液とかもヒットしましたが割愛。他にも見落としがあるかもしれませんがご了承ください)

文字列検索なので、検索漏れもあるかもしれませんが、やっぱりあまりコモンな現象ではなさそうな感じがします。頻度が低いものも多く、上記に挙がっている薬についても、もしかしたら真の副作用ではなくノイズも含まれるのかもしれません(因果関係がはっきりしている真の副作用なのかどうかは検証してません、すみません)。
どれくらい数値が低下したのかというデータは添付文書にはありませんが、どの薬も頻度は低く、5%を超えるものはありません(0.1~5%未満というのは4.9%というわけではなく、1%未満かもしれない)

ゾコーバは頻度16.6%、かつプラセボと著名な差があり、ベースラインから半減…
検索機能の検索漏れで他にも似たような現象をきたす薬はあるのでしょうか?私が無知なだけ?

脂質を変化させる薬剤リストを調べてみましょう。ググってみたらこんなものが見つかりました
Medication Induced Changes in Lipid and Lipoproteins - Endotext - NCBI Bookshelf
HDL低下するのは
β-Blockers
Select progestins
Danazol
Anabolic steroids
First Generation antipsychotics

ダナゾールはHDLが50%低下と書いてありますが、ダナゾール(ボンゾール)の添付文書にはHDLの記載はない…。なぜ…?



付け焼刃で調べた程度では、HDL低下という現象が”よくあること”なのか自分にはよくわかりませんでしたが、緊急承認で登場した新薬の副作用項目のなかでちょっと目立っていたので、気になりました。
この一過性の検査値の変動が臨床的に悪影響をきたすのかどうかは私にはわかりませんがPMDAがどのように評価したのか気になるところです(重大な懸念はないと評価されたから承認されたのでしょうけど…)。短期間の服用なのでとくに心配ないってことなのでしょうか。
審査報告書は医薬品情報検索のページにあがっていないようですが、報告書がアップされたら読んでみようかと思います。

【RCT】ペマフィブラート vs プラセボ NEJM2022

最近ペマフィブラートの添付文書が改訂になり、腎機能障害に禁忌→慎重投与へ緩和されました。

が、しかし、NEJMに掲載されたPROMINENT試験の結果は…。

f:id:ph_minimal:20221106113230p:image

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2210645

(流し読みですので、もしミスがございましたらすみません!)

ペマフィブラートvsプラセボ、総計1万人越えの大規模ランダム化比較試験で心血管イベントは抑制されずという結果

 

二次予防の患者さんが3分の2

肥満気味で平均TG270、低HDL

さすがに抑制できるのかと思いきや、プラセボとほぼ同率

気になるのは急性腎障害(AKI)が増加傾向…

 

さて、添付文書改訂で処方率は増えるのか!?

それとも、このネガティブデータの登場で処方率は減少するのか!?

 

個人的には心血管イベント抑制を目的としたフィブラートの役どころははっきりしないという印象ですが、さまざまな意見があるところでしょう。

時間ができたらこの論文をしっかり深読みしたいところです。

そして、このように述べるときは、読む読む詐欺で終わること可能性が濃厚

 

追加!

見落としてましたがCKDも増加傾向のようです。100人年あたり、1.11 vs 0.71(ハザード比1.56[1.23-1.99]

添付文書は腎障害への使用が緩和されましたが、大規模RCTでは腎には微妙な印象

フェノフィブラートのRCTではクレアチニンが増加傾向にあった記憶があるので(※)、同様の影響でしょうか。ただ、このクレアチニン上昇の機序が自分はちゃんと理解してないのでいつか調べてみます(←調べる調べる詐欺!?)

 

※accord lipidでした。↓サプリメンタリにクレアチニンの推移の記載あり(p22)

https://www.nejm.org/doi/suppl/10.1056/NEJMoa1001282/suppl_file/nejm_accord_1563sa1.pdf