pharmacist's record

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目が不自由な患者さんへの調剤の工夫

今回は調剤の工夫についてご紹介します。

 

 目が不自由な患者さんの場合、薬の飲み間違い防止の対策が必要です。可能であれば、処方薬の用法を統一し(すべて分2朝夕食後など)、一包化すれば良いのですが、必ずしも用法を統一できる処方内容とは限りません。分3でしか効果が期待できないものもあれば、半減期が長くて分1製剤しかないものもあります。

 用法が異なっていると、一包化した場合、朝と夕で中身が異なってしまいますが、目が不自由だと一包化の印字された服用時点を判読できません。

 一包化せずに、PTP包装のままとし、手触りだけで判別するとなると、薬の種類が多くなってくるととても区別できません。

 

では、どうするか??

 

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こちらは自分が購入した市販薬ですが、切断面がギザギザになるハサミで、このようにPTPシートの横サイドをギザギザにすることで、目が不自由な方でも判別しやすくなります。

用法が統一できるものをすべて一包化し、統一できないものはPTP包装。

PTP包装となるものが3種類までなら、ギザギザのハサミを使えば判別可能です。

  • ギザギザなし
  • 片側のみギザギザ
  • 両側ともにギザギザ

目が不自由で処方薬が何種類もある場合、このようなツールを使えば、ある程度区別できると思います。他にも粉薬を使ったり、いろいろ工夫できるのではないでしょうか。

PTPの判別にはギザギザのハサミがおすすめです。