pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。また、無断転載はご遠慮ください。

婦人科

【ホットフラッシュ】オープンラベルプラセボ vs 無治療!

突然ですが、論文を読んだポルナレフやります。 「まったく理解を超えていたのだが… ありのまま、今、読んだ論文のことを話すぜ! 薬が入っていないプラセボ(偽薬)だと説明した上で、投与したはずなのに、 ホットフラッシュが改善した 何を言っているのか…

子宮頸がん対策は検診だけやっておけば大丈夫?

ph-minimal.hatenablog.com ちょっと前の話ですが、HPVワクチンについての情報発信「みんパピ」に支援しました。 職場にも流しましたが、うーん…、反応はイマイチ。まだまだ大勢の人がこの問題を知らないというかなんというか…。 あぶないワクチンなんでしょ…

みんパピ! ~みんなで知ろうHPVプロジェクト~

クラウドファンディング!と言われると、キングコングの西野さんがやってたやつだな!っていうくらいの知識しかないのですが…readyfor.jpキターー!! これは世の中(日本)が変わる分岐点なのでは!?って感じですね。 日本以外の先進国はすでにHPVワクチン…

妊娠中の歯周病治療で早産を減らせる?

Obstetric outcomes after treatment of periodontal disease during pregnancy: systematic review and meta-analysis. - PubMed - NCBI BMJ. 2010 Dec 29;341:c7017 研究デザイン:RCTのメタアナリシス P:歯周病(歯周炎や歯肉炎)の妊婦 pregnant women …

月経前症候群に対するSSRI / 有害事象のNNH

SSRIのコモンな副作用のNNHってどのくらいだろう?と思って調べてみたところ、PMSに対するSSRIのメタアナリシスがありました。Selective serotonin reuptake inhibitors for premenstrual syndrome. - PubMed - NCBI Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jun 7…

SERM;ラロキシフェンによるほてり

骨粗しょう症の治療で用いられるラロキシフェンは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM;Selective estrogen receptor modulators)で、乳房や子宮では抗エストロゲン作用を、骨に対してはエストロゲン様作用を発揮する[骨粗しょう症の予防と治療ガイ…

アロマターゼ阻害薬による関節痛に運動療法が有効?

アロマターゼ阻害薬の副作用として関節痛があげられます。頻度は研究によってまちまちですが、 Aromatase inhibitor-induced arthralgia: a review. - PubMed - NCBI Ann Oncol. 2013 Jun;24(6):1443-9. によると、5~35%くらい(fig1) リスクファクター:肥…

新規抗てんかん薬の催奇形性

社内勉強会でちょっと話題になったので文献検索してみました。 The teratogenicity of the newer antiepileptic drugs - an update. - PubMed - NCBI Acta Neurol Scand. 2014 Oct;130(4):234-8 新規抗てんかん薬(ラモトリギン、トピラマート、レベチラセタ…

米国における計画外妊娠の推移

NEJMのツイッターアカウントよりある画像がアップされました。 なんだろうと思って見てみると、Unintended Pregnancy(計画外妊娠/望まない妊娠)のグラフでした。 http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsa1506575 "Declines in Unintended Pregnancy i…

「生理痛がひどいんです」→どうする??

若い女性患者さんの併用薬を確認するとき、生理のときに鎮痛薬を服用しているという方がしばしば見受けられます。 少し古いですが、2004年女性労働協会の調査によると、 16~50歳の女性において、 かなりひどい月経痛(服薬しても仕事を休む):2.8% ひどい…

高齢女性へのエストリオール膣錠の処方 エストロゲンの作用は?

エストリオール膣錠(ホーリンVなど)は高齢女性の萎縮性膣炎に用いられます。 エストロゲンの膣への作用 ①膣粘膜の発育・増殖にて、膣の弾力性を増し、厚みをもたせる ②膣の自浄作用(pHを酸性に保ち、他の細菌の増殖を抑える) ③膣に潤いを与える 萎縮…

乳腺炎に葛根湯?

葛根湯といえば風邪の引き始めに、というイメージですが、乳腺炎の適応もあります。 葛根湯(TJ-1)の風邪に対する適応としては、 比較的体力がある(実証~中間証) 汗をかいていない状態、皮膚はサラサラしている 発熱(微熱~高熱)、悪寒、頭痛 肩~首(…

更年期障害の指標は? ホルモン補充療法HRTについて

更年期障害閉経(45~55歳程度)に伴うエストロゲン低下を主因とする症状①血管運動神経症状:顔の火照り・のぼせ(ホットフラッシュ)、異常発汗、動悸、めまい、冷え ②精神神経症状:情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安感、不眠、頭重感など ③その他:腰痛…

婦人科系漢方薬の使い分け

婦人科でよく使われる漢方薬として、通し番号23,24,25と連番の3剤があります。 当帰芍薬散(TJ-23) 構成生薬:当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、蒼朮(そうじゅつ)、沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)、川芎(せんきゅう) 蒼朮、茯苓、沢瀉→水滞…

伝染性紅斑(りんご病) (小児疾患シリーズ)

伝染性紅斑(りんご病) ヒトパルボウイルスB19による感染症。潜伏期は4〜21日。 感染経路は飛沫感染(風邪やインフルエンザと同じくマスク着用・手洗いは有効)。潜伏期や先行する風邪症状が出ているときに感染力があり、発疹が出始める頃には感染力は弱い…