ケトプロフェンテープによる光線過敏症は日焼け止めで防げるのか?
正直、よくわからなかったのですが…。
Ketoprofen-induced photoallergic dermatitis. - PubMed - NCBI
ケトプロフェンによる光線過敏症(皮膚炎)のレビューです。
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日焼け止めについての記述を拾い上げてみると、
「皮膚炎を悪化させることが知られている成分(octocryleneオクトクリレン)があり、それらは日焼け止め製品に含まれる。これらの製品を避けるように患者を教育することは非常に重要」
とのこと。
これは、添付文書にも書いてありますね。
オキシベンゾン(ベンゾフェノンの誘導体)も該当するようです
(サンスクリーンとか化粧品とかまったく使わない自分にはなんのこっちゃという感じですが)
皮肉にも紫外線を避ければいいなら日焼け止めを塗ればいいじゃん!ということで、交差性(cross-photosensitization)のある製品を併用してしまうと逆効果かもよ?という感じです。
フェノフィブラートのようなベンゾフェノン骨格を含む薬剤も交差性があるようですね(類似の骨格があるかどうかが重要)。
国内の文献も探してみましょう。
日本内科学会雑誌 Vol. 96 (2007) No. 5 p. 1006-1012
治療について書いてありますね。
第一に皮疹部への日光暴露を避ける
ケトプロフェン外皮薬の場合、数週間の遮光を徹底
薬物療法はステロイド外用薬
症状に応じて、抗ヒスタミン薬
原因薬剤は
スパルフロキサシン
ピロキシカム
グリセオフルビン
エノキサシン
ロメフロキサシン
テガフール・テガフールウラシル
メキタジン
フルタミド
クロルプロマジン
フロセミド
サラゾスルファピリジン
カルバマゼピン
ドキシサイクリン
ヒドロクロロチアジド
プロメタジン
など
治療で抗ヒスタミン/抗アレルギー薬を使う場合、フェノチアジン系化合物で過敏症を起こした場合は、メキタジンやプロメタジンは避けたほうが良いってのは盲点かもしれませんね。
ほか、
皮膚 Vol. 35 (1993) No. 1 P 26-32
このあたりも参考になります。
ほかにもいろいろありそうですが、とりあえずここまで。
結局、よくわかってないのですが、
・日焼け止めを使えばケトプロフェンによる光線過敏症を防げるかは不明
・日焼け止めの成分によってはケトプロフェンと交差性があり、むしろ悪影響かもしれない。
・そもそも、そこまでケトプロフェンにこだわらなくていいのでは?ほかの外用NSAIDsをオススメしたいところ
気が向いたらもっと調べて追記するかもしれませんがそろそろ午後の部が始まるのでこのあたりで終了させて頂きます。
いやあ、1時間って短いですね。情報収集速度が遅いことを痛感。
なにか間違いがございましたらご指摘くださいm(_ _)m