pharmacist's record

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パッケージを変えると水の味が変わる?~味覚に対するプラセボ効果~

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パッケージが味覚に及ぼすプラシーボ効果

中身はぜんぶ水道水!

パッケージは3種類
南アルプスの天然水」
クリスタルガイザー
「水道水」

20代の女性21名と60代の女性18名を対象として味の評価をしたところ、
「水道水」ラベルの水道水よりも、「南アルプスの天然水」「クリスタルガイザー」のペットボトルの中に入っていた水道水のほうが、臭みが少なく甘みが多いと感じたそうです。

中身は同じなのに…、不思議なもんですねぇ。

ハッ!
ということは普通の焼肉でも、「特上」とラベルをつけてもらえば、美味しく感じるのかも!?


…焼肉の話はさておき、まずい粉薬についても、プラセボ効果をうまく利用して飲みやすくできないものかなぁ~と思いました。

プラセボ効果っておもしろいですね。
個人的には悪い方向へバイアスがかかってしまうノセボ効果も気になります。
ノセボ効果っていうのは、プラセボ効果の逆バージョンみたいなもんです。

ジェネリックは粗悪なものだと説明された結果、オーソライズジェネリック(原薬も添加物もぜんぶ同じ)さえも受け付けなくなってしまう患者さん…、これってノセボ効果ですよね。

こういった認知バイアスを上手に利用することで、人々の生活が豊かになるんじゃないですかね?
図にするとこんな感じです(超極端だけど汗)

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みんなの幸せのためにプラセボ効果をうまく利用して、ノセボ効果を排除したい!

そう思う今日この頃です。