pharmacist's record

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インスリン投与量ガイダンスのアプリの使用は血糖コントロールを改善する? LANCET2019

医療の進歩って、新薬の開発だけではなく、医療機器の進化の寄与も大きいんじゃないかと思う今日この頃なのですが、Lancetにこんなものが…。

Automated insulin dosing guidance to optimise insulin management in patients with type 2 diabetes: a multicentre, randomised controlled trial. - PubMed - NCBI
Lancet. 2019 Feb 22. pii: S0140-6736(19)30368-X.PMID:30808512

さっそく、ビジアブに。

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アブストオンリーの論文のようですので、アブストと事前登録情報から抜粋しました。
脱落者の数は本文にしか記載されてないと思いますので、気になる方はぜひ本文をお読みください。

2型糖尿病の方を集めて、d-Navというインスリン投与量アドバイスのアプリの使用の有無で血糖コントロールがどうなるかを半年間の介入を行って比較検討されました。

d-Navというのはこちら
The d-Nav Way | Hygieia

詳細は上記URLを参照いただきたいのですが、d-Navによる血糖管理にて血糖値が高くなってくると、インスリンを増やしたほうがいいという警告が出るみたいですね。
より正確で細かい調整が可能となるということでしょうか。
すごい世の中になったものだ。

RCTの結果はビジアブのとおり。
肝心の低血糖エピソードはどうだったかというと、両群ともに1ヶ月あたり0.29回です。

つまり、低血糖を増やさずに、HbA1cを0.7%ほど改善したということですね。


さて…、
自分は糖尿病ではないのでなんともいえませんが、患者さんはどんな気分なんでしょうね。
機械に管理されるストレスみたいなのはないんでしょうか…?
「あっ、やべ…食べすぎちゃった」→警告表示→反省 みたいな。
ナイーブな方にとっては、精神的にどうなのかなぁってところも気になりますが、アドヒアランスがきわめて悪い患者さんにとっては、患者教育的にアリなんですかね~。

この製品について詳しく調べられてないので恐縮なんですが、
血糖値が低めの場合には、ちょっと単位を減らそうかっていう警告も出るんですかねぇ。
そっちも重要ですよね。高齢の場合は無症状の低血糖もあるでしょうし、このようなデバイスで管理できるといいのかなぁ~なんて。
低血糖になっていたら糖分を補給するよう促すとか…。
「Suck a candy,Now!!!」(←英語力の無さ…。英訳がおかしかったらすみません)

余談ですが、私は英語はまったくしゃべれないし聞き取れないのですが、この前、外国の方が薬局にいらして…。
日本語けっこうしゃべれるけど、得意なのは英語なのかなって感じで、たまに日本語のワードがうまく出てこなくて、英単語がポロリ…みたいな。
昔の自分ならなにもかもキョトンだったはずが、論文を読む勉強をしていたからこそ、聞き取れたワードがありました!
カタコトでいいから英語で服薬指導できるようになりたいですねぇ。
やっぱ英語しゃべれるようになりたい!

この前、友達と遊びにいったとき、外国の人に日本語で話しかけた友達が、「イングリッシュ、プリーズ!」て言い返されてて吹いたのですが、友達はまったく意に介せず日本語でしゃべりまくって結局笑顔でハイタッチしてたので、最強のコミュ力だなと感銘をうけましたね。無敵すぎる…。