SGLT阻害薬のイプラグリフロジン(スーグラ)が、2018年1月に1型糖尿病の効能追加の申請されていましたが、結局どうなったんでしょうね。
医療系のニュースサイトによると、薬食審・医薬品第一部会でこの件について12月に審議されるらしいです。
SGLT阻害薬は尿中に糖を排泄する薬で、インスリン分泌を促進する作用機序ではないので、1型にも有用ではないかということですね。
では、臨床試験の方はどうなっているのでしょうか。
こちらがその試験の事前登録情報だと思うのですが、試験結果の論文が見つからず…。
一方、日本では発売されていない薬ですが、SGLT阻害薬のソタグリフロジンの1型糖尿病を対象に実施した試験がありました。
Effects of Sotagliflozin Added to Insulin in Patients with Type 1 Diabetes. - PubMed - NCBI
N Engl J Med. 2017 Dec 14;377(24):2337-2348. PMID:28899222
重症低血糖やDKAを起こさずにHbA1c7%を達成した割合は高かったという結果ですが、内訳が知りたいところですね。
下記にまとめました
インスリン使用量は減り、体重が減っています。
低血糖エピソードが少ないのは、インスリン単位が減少したためでしょうか。
性器感染症が増えているのは、これまでの2型糖尿病を対象とした大規模試験と同様で、予想通りの結果
そして、DKAが増加。
これが問題となりそうですね。
イプラグリフロジンの試験結果は確認できていませんが、DKAリスクはどうでしょうね。作用機序からして、同様のリスクが懸念されるところですが、もし効能追加で1型糖尿病に使えるようになったら、インスリンの用量はどうするんでしょうね。同量継続でいくのか、単位を減らすのか…。
解禁になったら、この辺りをきちんと勉強しておきたいところです。