pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。また、無断転載はご遠慮ください。

【OTC】ステロイド点鼻薬の「使用制限」の違い

市販薬のステロイド点鼻薬

・ベタメタゾンプロピオン酸エステル(コンタック鼻炎スプレー®、ナゾールαAR®、パブロン鼻炎アタック®など)
【してはいけないこと】の【使用しないでください】の項目
高血圧、糖尿病、緑内障の記載あり

・フルニソリド(ロートアルガードクリアノーズ®)
【してはいけないこと】の【使用しないでください】の項目
高血圧、緑内障の記載あり

プレドニゾロン(コールタイジン点鼻液a® ※テトラヒドロゾリンも配合されている)
【してはいけないこと】の【使用しないでください】の項目
高血圧、糖尿病、緑内障の記載あり


うーん…。そうなのか。
医療用医薬品のベクロメタゾンプロピオン酸エステル(リノコート®)は禁忌扱いではないのに…(慎重投与扱い)

高血圧、糖尿病、緑内障などの患者さんは「使用しないこと」と書いてあるとなると、セルフメディケーションってことで市販薬で対応したくても、市販薬のステロイド点鼻薬はおすすめできないっていうことになっちゃいます(泣)


そこで、いつのまにか新登場していたあの薬…、そうフルチカゾンですッ!

・フルチカゾンプロピオン酸エステル(フルナーゼ点鼻薬®)
【してはいけないこと】の【使用しないでください】の項目に
高血圧、糖尿病、緑内障の記載はありませんでした。


高血圧や糖尿病などの患者さんにもオススメできるステロイド点鼻薬がいつのまにか登場していたのですね!
これはセルフメディケーションの推進に一役買うことになるのではないでしょうか。


※余談
ベタメタゾンの使用制限を解除してくれればいい話ではあるのですが…。医療用のベタメタゾンは原則禁忌の指定が解除されていますので、市販薬も改訂してほしいところではあります。このあたりの詳細は児島先生の「OTC医薬品の比較と使い分け」の162ページをご参照ください。


※注意
上記添付文書情報は2019年12月24日(クリスマスイブやないか!)現在の添付文書情報です。今後、改訂される可能性もあるのでご注意ください。