pharmacist's record

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不眠症に対する認知行動療法(2018年Sleep Med 日本で行われたRCT)

認知行動療法(cognitive behavioral therapy;CBT)はたしか不眠症の第一選択に位置づけされていると記憶しているのですが、うろ覚えなので、調べてみると、↓こんな感じ。
Management of Chronic Insomnia Disorder in Adults: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians. - PubMed - NCBI
Ann Intern Med. 2016 Jul 19;165(2):125-33 PMID:27136449
うん、やっぱりCBTが推奨されてますね。

ですが、日本で眠れないって主訴で受診したところで、CBTとかやらないですよね。たいていベンゾジアゼピン(BZD)やラメルテオンなどが処方されるんじゃないかなと思います。


そんななか、日本で実施されたRCTの結果が発表されたようです
Effectiveness of cognitive behavioral therapy for pharmacotherapy-resistant chronic insomnia: a multi-center randomized controlled trial in Japan. - PubMed - NCBI
Sleep Med. 2018 Jun 18;50:105-112 PMID:30031988
f:id:ph_minimal:20180724020604j:plain

アブストオンリーですので、詳細は不明ですが、まとめてみました。

薬物療法で不十分だった不眠症の方が対象です。

ISIというのは、Insomnia Severity Indexの略。
0~28点 高いほうが悪い
組み入れ基準は8点以上なので、軽度の方も含まれる
ただ、睡眠薬(GABA-A receptor agonist ←いわゆるBZDかと…。なぜこんな表記?)を服用しても眠れない方ということで、8点以上だからといって全員軽度というわけではない、むしろ治療抵抗性って感じでしょうか。

介入方法の違いは、UMIN000014297をご参照ください。
対照群も睡眠日誌の記録や睡眠衛生指導などは行われたようです。

パッと見、アブストに介入期間が載ってないですね。
統計的有意差はつかなかったようですが、睡眠薬の量は30%減。これは検出力の問題なのでしょうか?
ますます介入期間が気になるところ。

自分自身CBTとは具体的にどんなことをやるのか詳しく知りませんが、BZDの漫然投与を避けるには、CBTの重要性を認識する必要があるのかも。CBTについて勉強してみようかなぁ(勉強するする詐欺発動)。

薬物療法に踏み込む前に、ファーストラインとしてCBTを実施した国内のRCTはあるのかどうかも気になるところですね!(文献検索するする詐欺発動)

今後、日本でもCBTが普及していくのか気になるところなんですが、そもそも今現在深夜2時半。まったく眠気が訪れないのですが、、、、、
ちょっと……
眠れないんだけども……