https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2661578
背景:人口の高齢化により、転倒の発生率は増加しつづけている。
目的:転倒防止の介入の有効性を評価。
データベース:MEDLINE, Embase, Cochrane Central Register of Controlled Trials, and Ageline databases from inception
(リファレンスもサーチしている)
期間:2017年4月までの研究
対象とする研究デザイン:転倒防止の介入のRCT
対象者:65歳以上の高齢者
アウトカム:Injurious falls and fall-related hospitalizations
<結果>
スクリーニングにより283RCTを同定
54RCT(41596名)を解析
通常ケアと比較したinjurious fallsの減少は以下の通り
①運動exercise
オッズ比OR 0.51 [95% CI, 0.33 to 0.79]; absolute risk difference [ARD], −0.67 [95% CI, −1.10 to −0.24])
②運動+視力評価/治療combined exercise and vision assessment and treatment
OR, 0.17 [95% CI, 0.07 to 0.38]; ARD, −1.79 [95% CI, −2.63 to −0.96]);
③運動+視力評価/治療+環境評価/修正combined exercise, vision assessment and treatment, and environmental assessment and modification
OR, 0.30 [95% CI, 0.13 to 0.70]; ARD, −1.19 [95% CI, −2.04 to −0.35]);
④包括的な管理、Ca補給、VD補給
OR, 0.12 [95% CI, 0.03 to 0.55]; ARD, −2.08 [95% CI, −3.56 to −0.60]
入院を減らせるか検討したRCTは2つ
包括的な管理により、OR0.78 [95%CI、0.33 〜1.81]
結語
Choice of fall-prevention intervention may depend on patient and caregiver values and preferences.
いわゆるネットワークメタアナリシスです。
アブストラクトのみ閲覧可能。
②よりも③の方が効果が小さいからといって、環境評価をしなくていいとは言えないように思います(個人の感想ですが)。ネットワークメタアナリシスの評価は難しいですね。
さまざまな要素が「転ぶ」というアウトカムに繋がりうるので、やはり多面的なサポートが有用なのかなぁという印象を持ちました。
転倒防止のRCTはたくさん実施されているようなので、時間があれば各試験の論文も読んでみたいところですね。個人的には環境調整の効果が気になる…。
それにしても、この論文の結語がいいですね。
患者さんおよび介護者の価値観や好みによりどのような対策を行うか選択すると良いといったことが書かれていて、そういうの大事〜!と思いました。