pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

ミルタザピンの有害事象の特徴

Safety reporting and adverse-event profile of mirtazapine described in randomized controlled trials in comparison with other classes of antidepress... - PubMed - NCBI
CNS Drugs. 2010 Jan;24(1):35-53
背景:ミルタザピンの抗うつ作用は独特の機序であり、他の抗うつ薬と異なる有害事象プロファイルを有すると考えられる

研究デザイン:RCTのメタアナリシス

P:急性期の大うつ病(acute-phase treatment of major depression in adults)
E:ミルタザピン
C:他の抗うつ薬
O:有害事象

評価者バイアス:"Two authors independently assessed" 2名の著者が独立して有害事象に関するデータを抽出

出版バイアス:言語制限なし。製薬企業や専門家に連絡をとり、関連する参考文献リストを追加データとしてチェック。

<結果>
24RCT(4842名)を選定

ミルタザピンvsTCAs
高血圧/頻脈hypertension or tachycardia RR 0.51
振戦tremor RR 0.43
ミルタザピンvsSSRI
体重増加/食欲亢進weight gain or increased appetite RR 3.68
唾液の増加increased salivation RR 3.66
眠気somnolence RR 1.62
疲労fatigue RR 1.45
鼓腸flatulence RR 0.26
発汗sweating RR 0.28
性機能不全sexual dysfunction RR 0.34
tremor RR 0.37
吐き気/嘔吐nausea or vomiting RR 0.40
sleep disturbance RR 0.55
下痢diarrhoea RR 0.61
ミルタザピンvsベンラファキシン(SNRI)
fatigue RR 2.02
sleep disturbance RR 0.03
sweating RR 0.03
便秘constipation RR 0.25
ミルタザピンvsトラゾドン
weight gain or increased appetite RR 4.00

ミルタザピンを使用したうち約70%が少なくとも1つの有害事象を経験。その頻度は他の抗うつ薬有意差は無かった。


ミルタザピンは体重増加、疲労感、鎮静といった特徴がありそうですね。

ただrisk ratioの幅の記載がないので、参考程度の情報といったところでしょうか。
安全性に関する情報は不足しているが("confirmed the paucity of adequate safety reporting")、入手できる情報で得られたミルタザピンの特徴的な有害事象プロファイルは臨床において参考になるのではないかといったことが結論として記載されています。


以下、参考までに。
有効性を検討したミルタザピンのコクランビューです(全文フリー)
Mirtazapine versus other antidepressive agents for depression. - PubMed - NCBI
Cochrane Database Syst Rev. 2011 Dec 7;(12):CD006528
有害事象について「SSRIより吐き気や嘔吐、性機能不全が少なく、体重増加や食欲亢進、眠気は高頻度」との記載あり。
詳細についてはフルテキストをご参照ください。