Incidence of Clostridium difficile infection in patients receiving high-risk antibiotics with or without a proton pump inhibitor. - PubMed - NCBI
J Hosp Infect. 2016 Feb;92(2):173-7.
背景:クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI;Clostridium difficile infection)の発生率、重症度を考慮し、リスクを減らすことが重要。これまでの研究ではPPIは抗生剤単独投与よりもCDIリスクを増加させることが示唆されているが、データやガイドラインは矛盾している
目的:ハイリスクの抗菌剤を投与されている患者のCDI発生率をPPI投与の有無で比較
研究デザイン:レトロスペクティブコホート
P:CDIのハイリスクの抗菌剤(CPFX,LVFX,MFLX,CLDM,CTRX,CTX,CAZ,CFIXと定義)が投与された退役軍人
E:PPI投与あり
C:PPI投与なし
O:CDI発生
観察期間:3年
<結果>
PPI服用あり:3513名
PPI服用なし:6149名
111名がCDI発症
ベースライン特性、CDI重症度、入院期間、感染前の抗菌剤投与期間は両群で同等
PPI投与ありのほうがCDI発生率が高かった
OR2.2(95%CI 1.52-3.23 P=0.0001)
とくに関連性が高かったのは、
フルオロキノロン(P=0.005)とCLDM(P=0.045)
※
CPFX:ciprofloxacin
LVFX:levofloxacin
MFLX:moxifloxacin
CLDM:clindamycin
CTRX:ceftriaxone
CTX:cefotaxime
CAZ:ceftazidime
CFIX:cefixime
<感想>
アブストのみの公開ですが、キノロンはPPIとの併用によるCDIリスク増加と強い関連がありそうだという報告です。
キノロン乱用を防止したいときのネガティブ情報として覚えておこうかなと。
とうとう抗生剤の使用を減らそう!という方針が出たようなので、勉強しないといけませんね。抗菌剤に疎いのでなんとかしなくては…。とりあえずもっと文献読まなきゃいけないですね。