pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。また、無断転載はご遠慮ください。

筋トレは抑うつ症状の改善に有効か? JAMA Psychiatry2018

最近、筋トレをしています。
目的は体を絞るためですが、あと1週間続く可能性が50%、1ヶ月続く可能性が10%。

夏って怖いですよね。薄着ですもんね。お腹がね。わかりますもんね。

筋トレ真っ最中ってことで筋トレに関するエビデンスを。
(医療ネタで記事を書くのがひさしぶりすぎてどんなイントロで書いていたのか忘れてしまった)


https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/article-abstract/2680311
H30.5.15時点 Pubmed未収載
JAMA Psychiatry. Published online May 9, 2018. doi:10.1001/jamapsychiatry.2018.0572

resistance exercise training (RET)とはいわゆる筋トレですね。
RETの抑うつ症状への効果について調べるため、メタアナリシスを実施したようです。

データソースはGoogle Scholar, MEDLINE, PsycINFO, PubMed, and Web of Science.
アブストにはあまり詳しいMethodは書いてません。)

33RCT、n=1877

Resistance exercise training was associated with a significant reduction in depressive symptoms with a moderate-sized mean effect ∆ of 0.66 (95% CI, 0.48-0.83; z = 7.35; P < .001).
うつ症状を44%軽減したとのこと(中等度の効果)

異質性は高めですね(I2 = 76.0%)

盲検化により抑うつ症状の軽減の度合いは小さくなったとのことでプラセボ効果もあるのかな?

NNT4って書いてあるけど、どの程度のうつ症状軽減を治療成功とみなしての値なのか、アブストを読んだだけでは自分にはちょっとわかりませんでした


結語として、RETは被験者の健康状態などにかかわらず、成人のうつ症状を改善したとのこと。
ただし、割付と評価方法を盲検化し、RETと他の介入を比較した質の高いRCTが必要。


こちらはNEJMのJournal Watchで取り上げられていました
NEJM Journal Watch: Summaries of and commentary on original medical and scientific articles from key medical journals
介入期間は平均16週だったみたいですね。
被験者の年齢による効果の違いはなかったと。


観察研究なら、筋トレする元気がある人とそうでない人っていう側面もでてきちゃうので、関係ないでしょって思っちゃいますが、RCTのメタ分析なので、ある程度は有効なのかも…と好意的にこの結果を鵜呑みにして、今日も筋トレに…励もうと…思います…(←やる気なさすぎて、すでに歯切れが悪い)。

さて…、いつまでつづくのやら…。筋トレから脱落しないよう、筋トレの有効性を示唆する論文を批判的吟味無しでガンガン鵜呑みにしていこうかな!

薬の飲み合わせ第5回「インフルエンザで来局した9歳男児」 地域医療ジャーナル2018年5月号 vol.5 「合わせること」

cmj.publishers.fm

今月号のサブタイトルは「合わせること」
毎度のことながら、ミニマルな言い回しでいろんなことを想起させるサブタイトルですね。

自分が真っ先に想起したのはDJです…汗。
「異質なものを合わせたほうが、新しいものが生まれる」
まさにDJプレイですね。
曲と曲が交じり合う興奮は言葉では言い表せません。魔法のようなミックスでフロアを沸かせるDJのみなさまの手腕には毎回唸らされるばかり。


医療においてもそうで、他職種の考えが混ざり合うことであらたな視点が生まれたり新しい展開が見えてきたりするのでしょうね。
薬剤師だと薬薬連携(病院薬剤師と薬局薬剤師の連携)というのがあります。自分は薬局勤務ですが、勤務先の都合上、薬薬連携に関わったことはありません。
匿名SNSなんかだと、たまに、病院薬剤師vs薬局薬剤師でお互いにチクリとやりあってるのを見たりして、ソッとSNSを閉じることも。
匿名SNSは表向きにはあまりでてこないような不満がこぼれたりする場なので、率直な意見として参考にはなりますけどね。あー、対立しとんなぁ~て…。個人的にはSNSで病院の薬剤師さんとも情報交換(という名の情報搾取)させていただいて大変お世話になっているので、もっと仲良くやろうぜって思うんですけどね。

まあ、うまく混ざり合うこともあれば、摩擦を生むこともあるというところなのでしょうか
うーん、なんででしょうね。BPMがズレてんですかね。曲の展開を無視して、無理やり繋げようとしてるから、汚いミックスになったりするってこともありますね。あ、これはDJの話ですけど、似たようなもんじゃないでしょうか。摩擦が生まれるなら、うまくミックスできない理由があるのでしょう。

患者さんのためにってところでベクトルは同じなんだから、やり方次第で噛み合うんでしょうけどね。まあでもいろいろ立場が違うからなぁ。どうなんでしょうねぇ。自分は曲と曲の混ぜ方しかわからないので、その"やり方"についてはなんとも言えません。。。
(最近、曲の繋げ方さえもわからなくなってきて、DJ機材と格闘中)

音楽の話をしよう "The Pharcyde - Drop" by Spike Jonze

スパイク・ジョーンズ!!!

いきなり叫んでみましたが、さて、何を連想しますか?

映画好きな方は、『マルコヴィッチの穴』を連想したのでは?
とてもユニークでおもしろい映画でしたし、アカデミー賞候補にもなったくらいなので有名ですよね。

ですが、自分にとっては、スパイクジョーンズといえばThe PharcydeDropのMVが思い浮かびます。

彼は映画監督というか、映像作家って印象ですね。
ジョナサングレイザーやミシェルゴンドリー、クリスカニンガム等と並んで「DIRECTORS LABEL」というミュージックビデオのベスト盤がリリースされていて、抜群のセンスを見せ付けてくれています。

その中でも個人的に一番好きなのが、これ!
youtu.be
VEVO経由の公式動画が公開されていました!)

ヒップホップはあまり詳しくないのですが、The PharcydeはこのMV経由で知りました。
曲も最高にかっこいいんですが、やはりこの映像です。

ヒップホップのMVでありがちな、いたってふつうの映像(ストリートを歩きながらラップするスタイル)なんですが、ちょっとした"仕掛け"が施してあるんです
すぐに奇妙な違和感を感じると思うのですが、その仕掛けが途中であきらかになります。

きわめて単純でアナログな仕掛けなのですが、こんなかっこいい映像になるとはっ!!!
すごい!!!

最初にこれを見たとき、完全に魅了されました。
違和感抜群のMC等の動きと、ちょっと妖しげなグルーブの曲がバッチシ噛み合ってて、もう最高にかっこいい。

スパイクジョーンズのベストワークは?と聞かれたら、間違いなく自分はこれを推しますね。
ヒップホップが好きな方はぜひご覧になって頂きたいです!!
超かっこいいから!!