pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

音楽の話をしよう! RHYE

本来ならRCTシート第3弾を公開するべきなんでしょう。
そんなものはとうでもいいのです!

本日はRHYEのライブ!

もうね。
最高でしたよ。

感極まって泣いてました。
ずっと泣いてた!!!!

RHYEがヤバいってのは知ってましたが1stしか知らなかった…

マジで最高だった!!!

最高だったんだけど…
なんで明日仕事なんですか…?

現実に戻されるわー(-_- )

もうボロ泣きの状態で友達と再開した!
懐かしい!

みんなタイコ行くんやね!うらやま!!!!!!!!

まあ、なにはともあれ、自分が伝えたいのはひとつ!
RHYE最高やった!
超泣いた!
マジでありがとう!
また日本にきてね( ´ ▽ ` )ノ
待ってるから!!!!!



進行がん患者さんのせん妄による興奮にロラゼパムは有効?

自分は終末期の患者さんと関わったことがないのですが、ちょっと気になったのでせん妄に関する論文を取り上げます。

せん妄って何でしょうね。自分はせん妄をおこしている患者さんを見たことがないのですが…。
要は「"意識の障害"から生じるやっかいな症状」という感じでしょうか。

評価ツールとしてCAMが有名です。
以前、このブログでとりあげたことがあります
宙をつかむような行動はせん妄を示唆? - pharmacist's record

また、米国精神医学会のDSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル)におけるせん妄の診断基準は、

・注意力や意識の障害
Disturbance in attention and awareness

・その障害は急性に生じ、重症度は変動する傾向にある
Disturbance develops acutely and tends to fluctuate in severity

・1つ以上の認知機能の障害を伴う
At least one additional disturbance in cognition

認知症では説明がつかない障害である
Disturbances are not better explained by a preexisting dementia

・その障害は昏睡や著しい意識低下で生じるものではない
Disturbances do not occur in the context of a severely reduced level of arousal or coma

・根底となる原因がある
Evidence of an underlying organic cause or causes


うーん、この診断基準、なんか難しいですね。

臨床像がいまいちピンとこない…。

見当識障害で、人物、時間、場所がわからなくなっていたり(病室にいるけど、自分がどこにいるのかわからない)、注意力・集中力が低下してボーッとしていたり、幻覚・妄想がでたり…、という感じでしょうか。大暴れしたりすることもあるんですかねぇ…。病院や介護施設で働いている方がお詳しいのではないかと思います。



で、薬についてです。
せん妄のリスクとなる薬もありますね。

たとえば、抗不安作用や鎮静作用があるベンゾジアゼピンはせん妄のリスクになると言われています。
Delirium in Hospitalized Older Adults. - PubMed - NCBI
N Engl J Med. 2017 Oct 12;377(15):1456-1466 PMID:29020579
NEJMの総説を見てみるとせん妄のハイリスク薬剤として、
ベンゾジアゼピン(非ベンゾのZ-drugも含む)
オピオイド
・抗コリン薬
・抗けいれん薬(てんかんの薬)
・三環系抗うつ薬
・H2受容体拮抗薬
などが挙げられています

以前、不思議に思ってたんですよね。
せん妄は過活動性(あばれる系)と低活動性(ボーッとする系)があるとされていますが、不勉強のころはせん妄=大騒ぎみたいなイメージがあって、ベンゾジアゼピンがなぜいけないんだろう…と思ってました。落ち着かせればいいじゃんと…。
ベンゾジアゼピンは意識レベルが低下する薬だから、意識の障害で起こるせん妄が起こりやすくなるんですかね?

まあ、詳しいことは専門の方におまかせしておいて、今回の本題は「せん妄による興奮にベンゾジアゼピンは有効か」です。

やっぱりせん妄で激昂しているような場合、鎮静剤としてベンゾジアゼピンを使ったりすることもあるんですかね?どうなんだろう。そしてそれは有効なんでしょうか?

せん妄のリスクになるとされているベンゾジアゼピンをせん妄により興奮している患者さんに使うのはどうなのか、という興味深い該当論文はこちら
Effect of Lorazepam With Haloperidol vs Haloperidol Alone on Agitated Delirium in Patients With Advanced Cancer Receiving Palliative Care: A Random... - PubMed - NCBI
JAMA. 2017 Sep 19;318(11):1047-1056.PMID:28975307

f:id:ph_minimal:20180517114213j:plain

はい、ひきつづき臨床試験の結果を一枚の図で表すシートです。
今回ちょっと縦長すぎますかね。

まあレイアウトは置いといて、補足していきましょう。

まず今回の試験薬であるロラゼパムですが、日本はたぶん注射はないですよね…。
ロラゼパムでPMDAサイトで添付文書検索したらみつからなかった…)
国内は錠剤オンリーで、その用量は1日1~3mgを2~3回に分けて服用。
錠剤と注射の換算はどうなんだろう…
バイオアベイラビリティを国内のインタビューフォームで調べてみると該当資料無しですって。おかしいな。大昔から発売されてる薬なのにな。

Pharmacokinetics and bioavailability of intravenous, intramuscular, and oral lorazepam in humans. - PubMed - NCBI
J Pharm Sci. 1979 Jan;68(1):57-63.PMID:31453
"Absorption was 91–95% complete"てことで吸収率はいいみたいですね。

Pharmacokinetic comparison of sublingual lorazepam with intravenous, intramuscular, and oral lorazepam. - PubMed - NCBI
J Pharm Sci. 1982 Feb;71(2):248-52.PMID:6121043
"Absolute systemic availability for trials B, C, D, and E averaged 95.9, 99.8, 94.1, and 98.2%"
A:静脈注射
B:筋肉内注射
C:空腹時経口投与
D:普通錠の舌下投与
E:specially formulated tablets(特別に処方?舌下専用に作られた錠剤ってこと?)の舌下投与
全身への利用率が経口投与もほぼ100%みたいですね。

脱線しました。
こんな手間取るとは。

さて、ロラゼパム1回に2mgというのは日本でいうと、ちょっと多いかなって感じでしょうか。


患者背景のスコアの補足です。
MDASはせん妄の評価スケールです
Memorial Delirium Assessment Scale (MDAS; range, 0–30; higher scores indicate greater severity) ということですが、患者背景の中央値はほぼ30でした。めっちゃ悪いってことですかね。

KPSはKarnofsky Performance Statusの略
全身状態を評価したもので、0~100%で表され、100%は正常。減少とともに、身の回りのことなど身体活動が出来なくなっていくという感じです。
患者背景を見ると、ほぼ30~40%以下なので、要介護状態という感じの患者さんをイメージしていただければよいかと思います(進行がんで緩和ケアを受けていてせん妄をきたしている患者さんをイメージすれば、合致するかと思います)。


で、結果についてですが、評価項目のRASSについては論文本文中に説明があります

−5から+4までの10段階スコア。0が真ん中なんて珍しいなと思ったら詳細は以下のとおり。
−5, unarousable; −4, deep sedation; −3, moderate sedation; −2, light sedation; −1, drowsy; 0, alert and calm; 1, restless; 2, agitated; 3, very agitated; 4, combative.

0がふつうで、マイナスになると鎮静かかりすぎって感じのようです。
RCTシートを作成しながら、ロラゼパムめっちゃ効いてる!と思ってましたが、鎮静かかりすぎちゃったって感じでしょうか。プラセボでも8時間後には正常化していると…。

いやいや、8時間後じゃなくて、もっと近い時間で評価したデータを見たいよ!と思いますよね?

グラフを作図する気力はないので、グラフのURLを…
PubMed Central, Figure 2: JAMA. 2017 Sep 19; 318(11): 1047–1056. doi: 10.1001/jama.2017.11468
プラセボ群も30分でいい感じに落ち着いてますね。
プラセボといっても、ハロペリドールも併用なので、ハロペリドール単独でちょうどいいように見えます。

論文の著者らは、この研究結果の一般化と有害な影響についてさらなる研究が必要と結論づけています。
おっしゃるとおり。
ロラゼパムは無効ではないです。興奮がおさまる作用があるのははっきりとわかりましたが、過鎮静になってしまうリスクを考慮しなくてはいけないでしょうね。


おまけ
あと1点。自分がつくったRCTシートを見て、解析人数が減っていることに注目した方がおられるでしょう。
解析人数がかなり減っているのは、ランダム化で割り付けられたものの試験薬を服用する前に亡くなった方が除外されているためです。進行がんの全身状態が悪い患者さんなので、やむをえないですね。
試験薬を服用した方は、全例解析にまわっているので、FASですね。

マンモグラフィー検査の痛みにアセトアミノフェンは有効?

乳がん検診のマンモグラフィーって痛いっていいますよね。
YAH○O検索でマンモグラフィーって打ったら、「痛い」が真っ先に予測検索で挙がってきました。

Pain experienced by women attending breast cancer screening. - PubMed - NCBI
Breast Cancer Res Treat. 2000 Apr;60(3):235-40.PMID;10930111
こちらでは、マンモグラフィーを実施した女性1200名にアンケート
954名がアンケートに回答。そのうち689名の女性が軽度~重度の痛みがあったと。
痛みを訴えなかった方と比較して、
痛みと関連があったのは、「不安感」や「乳房疾患の家族歴」、「以前マンモグラフィーで痛みの経験があった」などが挙げられ、
関連がなかったのは、「年齢」、「乳房の大きさ」、「ホルモン剤の使用」

痛みを感じた女性のうちの少数の方(few woman 2.7%)は、その痛みが将来のマンモグラフィー(再検査)を妨げうると回答したそうです。


マンモグラフィーでの痛みはなんとか解消したい問題ですね。やっぱ痛いのは嫌ですよね。

その痛みの軽減の介入について、コクランレビューがでています。
Interventions for relieving the pain and discomfort of screening mammography. - PubMed - NCBI
Cochrane Database Syst Rev. 2008 Jan 23;(1):CD002942. PMID;18254010
さまざまな介入を試みた7つのRCTがレビューされています。
・乳房クッションの使用は痛みを軽減するが、介入群で画質が2%損なわれた
アセトアミノフェンの前投薬は不快感(discomfort)に効果がなかった
など、さまざまな結果が得られています。
胸部圧迫のコントロール次第なのでは?という気もしますが、それについて検討したRCTもあるようですね。

詳細はコクランレビューの原著を見ていただくこととし、アセトミノフェンの前投薬について取り上げましょう。

2008年のコクランレビューでは上記のような記載となっていましたが、今年2018年に新たなRCTの結果が発表されています。

Double-blind placebo-controlled randomized clinical trial on the use of paracetamol for performing mammography. - PubMed - NCBI
Medicine (Baltimore). 2018 Mar;97(13):e0261.PMID:29595685
とりあえず真っ先に論文の結語を見てみると、
アセトアミノフェンマンモグラフィーの軽度の痛みを軽減できる」と書いてあります。
へぇ~。
では、研究デザインと結果を図にまとめてみましょう!

f:id:ph_minimal:20180516212757j:plain
 ※痛みのVASは数字が大きいほうが痛みが強い
(転記ミスがあったらすみません。。。詳細は原著をご確認ください)

さあ!どうですか!
エクセルをまともにつかえないわたくしの渾身のイメージ画像は!!
なんというか、色合いのセンスがないですね。。。

まあ、それはさておき、どうやら軽度の痛みに効いたというのはサブ解析みたいです。たまたまいい結果になっているところを抜き取ったって気が…(ごにょごにょ)
0~10で評価した痛みの平均値に差がない(というか、むしろややプラセボ有利?)ようなので、まあ患者さんが期待するほどの効果は得られないのかな…という感じです。
不快感(discomfort)も改善してないですね。
イメージ図には詳細は記載しませんでしたが、不快感については、
「no discomfort(不快感なし)」「uncomfortable(不快)」「very uncomfortable(とても不快)」「Intorelable(耐え難い)」
の4段階評価でした。
原著のTable3を見ると、Intorelable(耐え難い)の人数が載ってますが、Intorelableはアセトアミノフェン2.7%、プラセボ0.7%です。
うーむ。。。やはり、アセトアミノフェン事前投与はルーチンで推奨するものではないような気がします。

<よくわからなかったこと>
ところで図に載せた参加者のBra sizeですが、原著は単位無しで平均43~44となってました。これはインチですかね。。。インチなのかなと思ってセンチに直したのですが、それで正しかったのかどうか不明。単位の解釈が間違っていたらすみません。
(ていうか、単位くらい載せといてよ!見落としてないと思うんだけど!あと、サブ解析のフォレストプロットの字がちっちゃすぎて読みにくいよ! ブツブツ…)

まあ、論文の結果を詳しく吟味したい方は原著論文をご参照ください。

自分が今回ためしたかったのは、イメージ図(A4サイズにおさまる大きさ)で1つのRCTをまとめることでした。
こうすれば、PECOは一目でわかるし、ITTかどうかも記載不要ですよね。そもそも自分はITTというワードを探したりせず、解析人数をチェックするようにしてます。

ですが…、なんか色合いとかデザインがかっこよくないですよね。
うーむ、これはセンスの問題なので、なんともしがたい…。

しばらく、この企画は続けてみる予定。
あくまで予定。