Combination of pregabalin with duloxetine for fibromyalgia: A randomized controlled trial. - PubMed - NCBI
Pain. 2016 Mar 15.
背景:線維筋痛症Fibromyalgiaは慢性の広範囲の痛みを特徴とし、睡眠障害、うつ、疲労、認知機能障害と関連する。多剤併用が一般的だがエビデンスは限られている。
研究デザイン:二重盲検ランダム化クロスオーバー試験
P:線維筋痛症の患者41名
E:①プレガバリン ②デュロキセチン ③プレガバリン+デュロキセチン (用量は最大耐容用量)
C:プラセボ
O:疼痛(0-10) (セカンダリ:global pain relief)
治療期間:6週間
<結果>
41名のうち39名が2つ以上の治療を完遂
プラセボ | プレガバリン | デュロキセチン | プレガバリン+デュロキセチン | |
---|---|---|---|---|
daily pain(0-10) | 5.1 | 5.0 | 4.1 | 3.7 |
≥ moderate global pain relief(患者%) | 18% | 39% | 42% | 68% |
Fibromyalgia Impact Questionnaire (FIQ) | 42.9 | 37.4 | 36.0 | 29.8 |
MOS Sleep scores | 48.9 | 35.2 | 46.1 | 32.1 |
※FIQ
FIQ total score(0~100 スコアが高いほど重症)
0~39:mild
39~59:moderate
59~100:severe
Fibromyalgia Impact Questionnaire (FIQ)
Minimal clinically important difference in the fibromyalgia impact questionnaire. - PubMed - NCBI
J Rheumatol. 2009 Jun;36(6):1304-11.
※MOS Sleep scores
患者アンケートで睡眠障害や日中の眠気を評価(0~100点)
知らないスコアばかり…
とくにMOS睡眠スケールがわかりにくい。調べてもわかりませんでした。別件ですがレグナイト®のIFに記載があり、なにを評価しているかによって点数の意味合いがかわってくるようです。
アブストラクトの最後に"中等度~重度の眠気はプラセボより併用群に多い"と記載されていますが、MOSスコアは併用群のほうが点数が小さくなっています。日中の眠気を評価したMOSのスコアであれば、点数が併用群のほうが高くなるような気がするのですが、これは睡眠障害を評価したMOSスコアなのでしょうか…。
Duloxetine and pregabalin: high-dose monotherapy or their combination? The "COMBO-DN study"--a multinational, randomized, double-blind, parallel-gr... - PubMed - NCBI
Pain. 2013 Dec;154(12):2616-25.
こちらも似たような介入内容ですが、試験デザインがかなり複雑のようです。
プライマリエンドポイントのBPI-MSF average painはデュロキセチンやプレガバリンの各高用量群と、それぞれの併用群で有意な差はなし。
セカンダリの50%応答率は併用群で52.1%、高用量単独群39.3%。
初期の8週間の単独治療の比較では、デュロキセチン60mg/日のほうが、プレガバリン300mg/日より優れていた。
全文は読んでませんのできちんと吟味できてないですが、結果だけ見ると2016年の文献と似たような印象。
忍容性の問題もあると思いますが、より強い鎮痛効果を期待するなら併用のほうが優れていることが示唆されています。