今週は世界抗菌薬啓発週間だそうです。
AMRの川柳大会第二回もはじまるみたいですね。自分はセンスのカケラもないので思い浮かびませんが。。
第2回 薬剤耐性あるある川柳 | かしこく治して、明日につなぐ~抗菌薬を上手に使ってAMR対策~
さて、というわけで、抗菌薬…ではなくて、今回はインフルエンザの話です。
バロキサビル旋風が巻き起こり、賛否が分かれているようですね。
それはそうと、ずっと気になっていたラニナミビルのPhase2のIgloo trialなんですが、ネガティブだったという情報は得ていたんですけど、いつになったら結果が見られるんだろう…と待機していたところCinicalTrials.govのサイト(NCT01793883)に結果が発表されていました。
ClinicalTrialsのサイトによると試験参加したのは639人
試験完了は、40mg、80mg、プラセボの順に、201名、204名、204名。
Lost to followupは、5名、1名、3名
で、一次評価項目のインフルエンザ緩和時間のところ
Overall Number of Participants Analyzedが67名、75名、89名
有効性の解析は、Intent-to-treat-infected (ITT-I) populationってことなので、インフルエンザと確定した人だけを解析したってことですかね。
こんなに少なくなるものなんでしょうか。
まあ、なにはともあれ、緩和までの時間に差がないです。
用量が少ないとかそういうレベルじゃない感じ。
日本の成人用量は40mg
海外ってことで80mgもやってるのにこの結果…。
この薬は、1回吸入で終了なので、薬局の投薬カウンターで吸ってもらったりするわけですが、もしかしてあまり効いてない感じなのでしょうか…。
我々は、吸入指導のときに、ゲフッとインフルエンザウイルス入りの咳を浴びたりしているわけなんですが…。
まあ、この試験だけでどうこうってわけではないかもですが、まあ、こういう試験結果もありましたよ、ということで。
さあ、私が言いたいのはエビデンスの話ではありません!
ここからが本題です!!!!
ラニナミビルって子供でも使えるじゃないですか。
で、吸えるかどうかを判断するためのピンク色の容器の笛みたいなのありますよね。
その笛を吹いてもらった結果、「吸える」と判断されて、処方された微妙なラインの年齢のお子様…、意外とちゃんと吸えません。
笛が吹けるのと、(子供にとっては)得体の知れない吸入薬を吸えることは同じではありません
吸引力はあっても、吸いたがらないっていうケースはけっこうありませんか?
笛は吹けても薬を吸うのは嫌だとダダをこねるお子様もいらっしゃいます。
(そこで、混雑時に流れが止まる…。待っている他の患者さんもイライラ、お子様が言うことをきいてくれなくて親御さんもイライラ…。)
小児科学会の指針(http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/2018_2019_influenza_all.pdf)によると、1~4歳については「吸入困難と考える」、5~9歳については「吸入が出来ると判断された場合に限る」とのことですが、この「吸入できるかどうかの判断」が難しいですよね。。。
ラニナミビルは単回吸入なので、失敗もできないですし、5~6歳の小さいお子様には向いてないような気がしてしまうのは私だけでしょうか…?
さてと、
またインフルエンザの季節がやってくるんですねぇ…。
嫌だなぁ…。
自分も気をつけないと。
って、いま、これを書きながら26時を回りましたが、なぜか自分、裸ですね。
どうりで寒いわけだ…。
さすがにちょっと寒くなってきたので風邪ひかないよう気をつけます。