pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。また、無断転載はご遠慮ください。

音楽の話をしよう Massive Attack - Splitting The Atom

ちまたでは、現在、「音楽と健康の週間」だそうです。

ここ1年くらいで最高だったのはやっぱりMassive Attackでしょうか。Young Fathersを引き連れてやってきたんですが、生で彼らの共演を見れるのはあれを逃したらもう二度となかったかもしれませんからね。彼らの共作「Voodoo in my blood」を生で聴けて良かったなぁ。
(このブログでも書いた気がしますが…。)

さて、やはりMassive Attackは別格だなとひしひしと感じます。
世界観が圧倒的なんですよねぇ。

たとえば、これ。

youtu.be
公式より

大好きな曲です。
Daddy Gが渋すぎる!


女性Voを起用した曲もすばらしくて、Hope Sandovalを招いたこの曲「Spoils」もいいですよねぇ。

youtu.be

ケイトブランシェットの顔面が変形していく…。
この映像、とくに派手なことをしてるわけじゃないんですが、圧倒的な世界観ですよね。


そろそろフジロックに呼んでいただけないでしょうか…。
もちろんHorace Andyもね!


さあさあ、
みなさん、好きな音楽を好き放題聴いて、健康になりましょう。

(ん…?なにか間違っているような…。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177928_00003.html

音楽の話をしよう Modjo - Lady

たまには懐メロを。

昔、ヒットしたダンスミュージックなんですけど、ダンスクラシックっていうのとはちょっと違う。
クラシックではなく懐メロなんですよね、この曲は…(勝手な個人の印象ですが)。

Modjo - Lady

youtu.be

いま、聴いても好きだなって思います。
でも、クラブで流れたら「えっ!?」てなりますね。

やっぱ懐メロなんです。

この切ない感じは日本人ウケしそうですけどね。
実際、ウケてたような気がします。

でも、結局、Modjoはこの曲しか知らない…。
こういう年頃のほんのわずかな一瞬の切ない煌きみたいなのを音で表現してサッとどこかへ消えてしまった。そんな感じがして素敵ですね。(その後も活動してたらスミマセン汗)

いまでも年に数回は聴きたくなる曲ですね。

【ビジアブ】親知らず抜歯後の痛みに対するイブプロフェン・アセトアミノフェン併用

梅味のチューイングガムを食べていたら、なにやら異物が混ざっていました。
なにを混ぜてくれやがるんだ!と思って、吐き出してみると、銀歯でした。
なんで銀歯がまざっているんだ!!?
誰の銀歯だ、ふざけるな!

……

そもそも板ガムですから、なぞの固形物がまざっているわけもないことは一目瞭然。
もちろん私の銀歯です。
詰め物がとれたのです。

というわけで歯医者に行きました。
まあ今回はたいしたことはなかったのですが、ひどい虫歯になったときの治療となったら壮絶ですよね。
あのチュイーンという音に恐怖を覚える方も多いでしょう。

私は、親知らずは残っているのですが、親知らずの抜歯はめちゃくちゃ痛いっていいますよね。

そんなわけで、親知らず抜歯後の痛みに対する鎮痛薬の効果比較のRCTをご紹介します。
いつものRCTの図解ですが、海外ではビジュアルアブストラクトと呼ばれています。
(海外では、講演のスライドのような感じで、横長のデザインが主流)

ビジュアルアブストラクトってかっこいいですが、長~いので、このブログではビジアブと略すことにしましょう。

Analgesic Efficacy of an Acetaminophen/Ibuprofen Fixed-Dose Combination in Moderate to Severe Postoperative Dental Pain: A Randomized, Double-Blind... - PubMed - NCBI
Clin Ther. 2018 Sep 20. pii: S0149-2918(18)30382-5. PMID:30245281
f:id:ph_minimal:20181014224041j:plain
親知らず(third molars)抜歯後6時間以内をベースラインとし、100mmVAS(高いほうが重症)で40mm以上の方が試験対象となりました。

使用された薬剤は、イブプロフェンアセトアミノフェンです。
併用 vs 各単剤 vs プラセボの4群比較

投与法は、1日4回投与で2日間。ビジアブに載せた用量は1回量です。
けっこうな用量ですね。日本の市販の歯痛止めでこんなに配合されている製品はなさそう…。
(ちなみに、レスキュー薬として許可されていたのがオキシコドン…。海外の研究ですので、いろいろと日本とはかけ離れている部分もあります)

脱落は少ないので結果に影響はないでしょう。

一次評価項目は、ベースラインから48時間の疼痛強度を時間調整をした上で比較しています。
疼痛強度の差なので、数値が大きければ痛みの改善の度合いが大きいということです。
ベースラインが50台くらいなので、併用群はけっこう効いてる印象。
プラセボも軽減してますが、これはプラセボ効果ではなく時間経過ととらえたほうがよいでしょうね。

レスキューの使用割合は、併用、アセト、イブ、プラセボの順で、23.9%、53.2%、43.2%、81.3%
ちょっとプラセボ群に割り当てられた方が可哀想になってきますね。プラセボの方々はお辛かったことでしょう。


<感想>
風邪の咽頭痛に対する鎮痛薬は微妙な印象でしたが、歯の痛みにはやっぱ効きますね。
(自分もたびたびお世話になっております。NSAIDsよ、ありがとう!)

市販薬の痛み止めで、イブプロフェンアセトアミノフェンを配合している製剤がけっこうあって、あれって意味があるのかな?と思っていた(←これが今回のCQでした)のですが、効果が相殺されて意味がない…みたいなことはなく、歯の痛みに対しては足し算的に効果が増しそうな印象です。

これは親知らず抜歯後の痛みが対象ですが、虫歯の痛みでも似たような結果になるんじゃないかと思います。

というわけで、「歯が痛い!歯医者に行く余裕がないので、とりあえず痛み止めをくれ!」と来局した方には、単剤よりも両方配合されてる市販薬をおすすめしたほうが効果が高そうですね。