pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。また、無断転載はご遠慮ください。

音楽の話をしよう Aphex Twin - Avril 14th

だまされたと思って聴いて欲しいシリーズ第4弾

どうやら、この天才のことを一度もブログで書いてなかったようです。

Aphex Twinエイフェックス・ツイン

別名義はAFX、Polygon Windowなど。
数年間まったく音沙汰がなかったりして、ファンとしてはひたすら彼が作品を発表してくださるのを待ちわびるのみ…。

フジロック2017に降臨するとわかったときどれだけ興奮したことか!

http://www.fujirockfestival.com/17/news/?id=3288&page=1www.fujirockfestival.com

まあ、どんな人かはリンク先のアー写を見ていただければ笑
顔を3つに分断してつなぎあわせるというなんてことのないアイデアですが、ただならぬヤバさが伝わってきますね^^:

どんな音かというと、まあ、一言でいえば「変態」です。
もはやジャンルは不明。
まあテクノはテクノなんでしょうけど、BPM120~130台の打ち込みとかではないです。もっと速いかな。
オウテカあたりと通ずるところがあるような気もしますが、なんていうかもう「やりたい放題」って感じ。
言葉で説明することはできない気がします。
リスカニンガムという映像作家とのコラボに定評があり、映像作品「Rubber Johnny」はその真骨頂です。
(あっ、これはオススメしません!人を選ぶ内容ですので…。)

さて、そんなド変態(←褒めてます)のエイフェックスツインですが、音楽家として圧倒的な評価を得ていて、ついには2014年の作品「Syro」でグラミー賞までとってしまいました。
なにをいまさら…という感じがしますし、場違い感がハンパないですが、こういうところでも評価されたのは嬉しいですね。
授賞式にはあらわれなかったそうですが…。


さて、前置きが長くなりました。
ライブではもうブリブリのギュインギュインな変態テクノを披露するのですが、ふと気が向いたかのように、とてつもなく美しい曲をしれっと作ってしまうんです。

だまされたと思って聴いてみて欲しい曲は、
Aphex Twin - Avril 14th です。

youtu.be
↑オフィシャルが削除されていた!(2022.4.14)
aphextwin.bandcamp.com
bandcampでご試聴を!

Drukqsに収録されたこの曲(9曲目)は美しすぎるピアノの旋律が印象的な2分程度のビートレスな曲です。テクノでもドラムンベースでもなく、ただピアノが静かに流れるんですが、美しすぎてもうあっというまにもってかれます。

変態っぽい音ばっか作ってますけど、こういう音楽家としての土台がしっかりできているからこその変態ワールドなんですよね。
ただ、めちゃくちゃに音を暴れさせてるだけじゃなく、時折、変態的なビートに乗せて、こういう美しい旋律を流してきたりして…。

彼のもっとも有名な曲「Windowlicker」なんかまさにその真骨頂。
youtu.be

(↑こちらもぜひ)


そんなエイフェックス・ツインですが、なんとはやくも新作を発表する模様。
https://warp.net/artists/aphex-twin/

期待高まる!
もう出てるのかな!?ぜったい買わなくちゃ!

ねこでも読める医学論文 番外編「ねこと学ぼう、医療倫理」 地域医療ジャーナル2018年10月号 vol.4

cmj.publishers.fm

地域医療ジャーナル特集号。

テーマは「医療倫理とその教育」です。

テーマを与えられて記事を執筆するのはとても勉強になりますね。普段は書きたいことを書いているのですが、テーマがあると視野が広がるような気がします。
私は医療倫理の4分割表を取り上げ、架空の症例について、ねこ薬剤師たちにディスカッションしてもらいました。

購読されてる読者のみなさま、もしよろしければご一読くださいませ。

みずぼうそう(水痘)に対するアシクロビルの有効性

みずぼうそう(水ぼうそう水疱瘡、水痘)(←あとで検索で引っかかるように全パターン書いた)

2014年10月に水痘ワクチンが定期接種化され、昔ほど流行することはなくなってきましたが、ゼロってわけではないですよね。

たまにみずぼうそうの患者さんがいらっしゃいます。
ところで抗ウイルス薬って、"どの程度"効いてるのかな?ってことでUpToDate!
購読してない人(←自分)にも、リファレンスだけは見させてくれるUpToDate!

サーッと見ていくと、NEJMにプラセボ対照のRCTが…
A controlled trial of acyclovir for chickenpox in normal children. - PubMed - NCBI
N Engl J Med. 1991 Nov 28;325(22):1539-44.PMID:1944438

f:id:ph_minimal:20180928230206j:plain
てな感じです。

治療期間は5日間ですが、28日間フォローしてます。

ITTではなく、いろいろと解析から除外(PPですね)
試験中断とか、誤診とか、発疹でてから24時間以上経ってたとか、コンプライアンス守ってないとか。


で、結果ですが、この病変(lesions)の数って、もしや…
発疹の数をかぞえたんですかね…。500を上限にカウントしたそうです…。
おつかれさまです。

発疹は有意に改善していますが、もっと劇的に効くと思ってた~!て人もいるかもしれませんね。うーん、どうでしょうか。

個人的には1ヶ月たっても、発疹が残ってるっていうのはけっこう嫌ですけどね。
あと、発熱もやっぱり嫌です。ちょっと熱が出ただけで、「あー、もうおれは死ぬ」って毎回思いますからね。とはいえ、この研究は小児…。小児は熱があってもけっこう元気だったりして…。どっちかというとかゆみのほうが嫌なのかなぁ。
(原著には発熱やかゆみなどのデータもあるので、ぜひ原著をご覧ください。グラフで比較されており、アシクロビルとプラセボの差は明白です。劇的に改善とはいえないかもですが…汗)

有害事象は、
下痢が高頻度だったとのことですが、アシクロビル11名vsプラセボ8名。

合併症は全体で11名だけ。ってことで有意差なし。
発生が低頻度すぎて有意差はつかないという印象。単なる検出力不足かも。


ちなみにこの研究では24時間以内で開始となってます。

添付文書的には「本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始することが望ましい。なお、原則として帯状疱疹の治療においては皮疹出現後5日以内に、また、水痘の治療においては皮疹出現後3日以内に投与を開始すること。」ということで3日以内となってます。

このNEJMの研究結果は24時間以内の投与開始のデータですので、これより遅れてしまうと、この結果よりも改善の度合いが落ちる可能性があるということも留意しておくべきかなと思いました。

さあ、眠くなってきました。
そのわりにはまだ日付がかわっていない…。
最近、どうも睡眠の質が落ちている気がする。眠りが浅いのかな?
ず~~っと寝ていたいんですけどね…。ず~~~っと。