昨日のSTRENGTHはJAMAでしたが、今回取り上げるOMEMI trialはCirculationに載ったみたいです。
さっそくビジアブを
Effects of n-3 Fatty Acid Supplements in Elderly Patients after Myocardial Infarction: A Randomized Controlled Trial
Circulation. 2020 Nov 15. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.120.052209. Epub ahead of print. PMID: 33191772.
MACEに有意差がないのはSTRENGTHと同じ。
このOMEMIはセカンダリアウトカムがAF新規発症なんですね。セカンダリに設定してるくらいだから、心房細動に対する懸念が試験を走らせるときから挙がっていたのでしょうか。
で、AFは有意差がつかなかったですが、かなり微妙な感じ。増加傾向ですよね…。
OMEMIのSTRENGTHとの違いは、
・PUFA(DHA&EPA)の投与量が低い(1.8g<4g)
・高齢(平均年齢 74歳>64歳)
・OMEMIは全例二次予防(AMIで入院した人たちを組み込んでいる)
・肥満が少ない(BMI27<32)
・ベースラインのTGが低い(110<240mg/dL)
・ベースラインの糖尿病有病割合が低い(20%<70%)
ほかにもいろいろありそうですが、ざっくりとこんな感じ
対照群はどちらもコーン油です。REDUCE-ITでつかったmineral oilではないですね。やはりREDUCE-ITでの有益性の示唆は対照群の選択に起因するものなのかッ!?(わかりませんけど 汗)
個人的には1.8gでの胃腸症状の頻度が知りたかったのですが、パッと見、載ってないですね。
記載が見つかりませんでした
1.8g/日でもAF新規発症の懸念ありとなると、「PUFAは害はないんだからとりあえず飲んでおいたほうが…」みたいな主張に関しては、再考の余地ありって感じがしますね。日本のJELISの結果はどうだったのか再度チェックしてみましたが、心房細動の発症頻度についての記載は見つかりませんでした。
あ、そうそう
出血増加の懸念については
Major bleeding occurred in 54 (10.7%) and 56 (11.0%) in the n-3 PUFA and placebo groups,
てことで、あまり気にしなくてよさそう。
昨日のSTRENGTHでも出血に関しては
Any bleeding event 322 (4.9%) vs 322 (4.9%)
major bleeding event 52 (0.8%) vs 46 (0.7%)
でほとんど発生頻度に差がありません。
安全性について気になるのは、AFと胃腸症状ですかねぇ。
有効性は…、うーん…、かなり微妙な感じ
ここはあらためてREDUCE-ITを読んでみたほうがいいのかな…(もはや取り上げたかどうかも記憶にない)
あと、VITAL??(Marine n-3 Fatty Acids and Prevention of Cardiovascular Disease and Cancer PMID:30415637)
ほかにもいくつかRCTをやってたはず
アマリン社のEVAPORATE studyはどうなったんだっけ??
(Effect of Vascepa (icosapent ethyl) on progression of coronary atherosclerosis in patients with elevated triglycerides (200-499 mg/dL) on statin therapy: Rationale and design of the EVAPORATE study PMID:29365351)
と、まあいろいろとエビデンスが出ているみたい。
それぞれを比較してみたいところですが、もう眠くなってきたので今日はこれにて終了。
おつかれっした!