インフルエンザワクチンについて調べていたらこんな文献を見つけたのでご紹介
Influenza vaccines for preventing acute otitis media in infants and children. - PubMed - NCBI
Cochrane Database Syst Rev. 2015 Mar 24;3:CD010089
背景:急性中耳炎(AOM;Acute Otitis Media)は小児におけるコモンな感染症である。多くは細菌感染によるが一般的にウイルス感染により誘発される。
目的:乳児や幼児のAOMに対するインフルエンザワクチンの有効性を評価
選定基準:6歳未満の幼児を対象としたインフルエンザワクチンとプラセボもしくは無治療とを比較したRCT。
10試験を選定、6ヵ月~6歳の幼児16707名。うち9試験はワクチンメーカーの資金提供あり、9試験にて盲検化あり
<結果>
・少なくとも6ヵ月のフォローアップ期間における1回以上のAOMの発症がやや減少(5試験、n=4736)
RR0.80(95%CI 0.67 to 0.96)
RD -0.04(95%CI -0.07 to -0.02)
NNTB 25(95%CI 15 to 50)
・抗生剤の使用の減少(2試験、n=1223)
RR0.70(95%CI 0.59 to 0.83)
RD -0.15(95%CI -0.30 to -0.00)
・ワクチン接種による発熱(6試験、n=10199)
RR 1.15(95%CI 1.06 to 1.24)
RD 0.02(95%CI -0.00 to 0.05)
・ワクチン接種による鼻漏rhinorrhoea(6試験、n=10563)
RR 1.17(95%CI 1.07 to 1.29)
RD 0.09(95%CI 0.01 to 0.16)
NNTB25ということで大幅な減少とは言えませんが、インフルエンザワクチンにより中耳炎の予防が示唆されました。
中耳炎をおこしやすいお子様は、インフルエンザワクチン接種にて中耳炎の予防も期待できるかもしれませんね。