pharmacist's record

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日本の音楽業界は新陳代謝に乏しい?

news.yahoo.co.jp
こちらの記事
興味深く読ませていただきました。
「特定の曲が何年もチャートインし、しかも同じアーティストばかり」
「日本の音楽ヒットが極めて停滞している」

その根拠はSpotifyのデータ
記事をクリックすると、国別の「年間ランクイン楽曲数」と「年間ランクインアーティスト数」のグラフが閲覧できます。
日本はどちらも下位。後者はブッチギリの最下位のようです。
定番アーティストの曲だけが売れている的な感じでしょうか。

記事の中では、「(音楽に関して)先進国のなかで日本だけ異様に多様性が乏しい」とのご指摘


ふーむ…。
意外だなという気もするし、そらそうやろって気も…。
意外だと思った理由は「日本の音楽オタクの貪欲っぷりは凄まじい」からです。
海外のDJが来日すると、渋谷のレコードショップを漁りに行くみたいな話もちらほら。
ネット主流になる前の時代から、ありとあらゆる音楽を入手できましたよね。タワレコに行けば、あらゆるジャンルの音楽がワンサカ…。われら音楽オタクの需要にこたえるべく、世界中の音楽が集まってくるのです!(経済的にも潤っていたという側面もあるのかも)
というわけで、日本は多様な音楽にアクセスできる環境にあることは間違いないと思います。

しかし、どうやら多様性に乏しいようです。
なんででしょうね。

仮説① 日本人は歌が好き
これどうでしょう?ちょっといいセンいってるのでは?
勝手な推測ですが、欧米は歌が好きなのではなく曲が好きなんだと思います。歌うよりも踊るほうが好きなんじゃないかと。
一方、日本は歌が大好き、カラオケ大好き!という民族なので、ボーカルがない音楽は聴かない傾向にあるのではないかと思っています。
日本人の多くが「歌がない音楽は聴かない」のだとしたら、聴く音楽のジャンルは自然と狭まるでしょうね。
(自分は歌がない音楽のほうが好きなので、これはこれでジャンルが狭まっているかも!?)

仮説② 日本人は”定番”がお好き?
これはどの国でもそうなんじゃないかって気がするけど、どうなんでしょうね。
もしかしたら欧米のほうが、「定番よりも新規性を求める」傾向にあるのかも。
日本では「自分が知らない曲だとさめちゃって、知っている定番の曲で盛り上がる」という風潮があるような気はします。偏見かもですが汗

仮説③ "musical paralysis"(音楽的麻痺)
これは仮説②と似ているんですけど…。
ph-minimal.hatenablog.com
musical paralysisとは、「新しい音楽を積極的に求めなくなること」(詳細は上記の過去記事参照)
典型的なmusical paralysisが「自分の知っているアーティストしか聴かなくなる」です。
多いですよね、そういう人。自分も徐々にそうなってきてる気がします。
海外の調査では"musical paralysis"は30歳くらいから起こるそうです。日本だともっと若いうちからmusical paralysisがおきているのかもしれません。

仮説④ 需要と供給
やっぱり音楽を商売としてやっていく上で、売れる音楽を提供したいはずです(主語はアーティストではなく大手音楽レーベルです)。新規性が高い音楽をがんがんアピールしまくっても売れなければ”守りに入る”と思うんですよね。やっぱ商売ですから。
「定番の音楽」や「流行っている音楽(もしくはこれから流行りそうな音楽)」を消費者にアピールして売り上げを伸ばしたいはず…。これが停滞の原因になっている可能性はあると思います。
ただ、これはどこの国でも起こりそうなことなので、日本にだけ該当するとは思えないんだよなぁ…。


とまあ、勝手な考察をしてみましたが、そもそも自分は人生で一度も紅白を見たことがないくらい日本の音楽業界に疎いのでこの件について語る資格はなかったということに遅ればせながら気づきました。
前述の元記事のなかでは、「推し文化」とかいうよくわからないことに言及されていましたが自分には理解不能。”推し”とはいったい…。
日本人は曲じゃなくて人を好きになるってことらしいです。記事の中で「自分が好きなアーティストの曲しか聴かない傾向にあり、ディスカバリー(発見)への興味が低い。」と言及されており、これは自分の仮説に通じる部分がありますね。ディスカバリーこそ音楽の醍醐味なのになぁ~


ちなみに「音楽といえば?(国名)」と問われたら、自分が真っ先に思い浮かぶのがドイツなのですが、前述の記事のグラフでトップはどこだったのかというと…
ドイツ
やっぱり!!
ぶっちぎりの1位ですね!!
多種多様な音楽が求められる国なんですね~