pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。また、無断転載はご遠慮ください。

慢性腰痛患者における脚の屈曲運動について、説明の内容を変えると…

Fear-avoidance behavior and anticipation of pain in patients with chronic low back pain: a randomized controlled study. - PubMed - NCBI
Pain Med. 2001 Dec;2(4):259-66.PMID:15102230

f:id:ph_minimal:20190302191850j:plain


突然のビジアブ(ビジュアルアブストラクト)!


はい、こちらの論文は、地域医療ジャーナルの青島先生の記事のなかでとりあげられていた論文です。
cmj.publishers.fm

興味深い論文だなと思って、とりあげました!


腰痛患者に対して、とある運動テストを実施してもらうのですが、
もしかしたら腰痛が悪化するかも!?と指導された群と、
腰痛を悪化させることはないよ!と説明を受けた群で、腰痛強度はどうなるのか?というランダム化比較試験です。

運動テストはこんな感じ
https://academic.oup.com/view-large/figure/28932288/PME_01044_f1.jpeg


ランダム化となっていますが、コンピュータの乱数表などは使用せず、順番に割り付けていったみたいです


患者背景のベースラインはNRS評価で0~10点
アウトカムの疼痛強度の評価は、VASなので0~100点ですね。

結果はビジアブにお示ししたとおりです。

↓こちらのFig3のほうが見やすいかも
https://academic.oup.com/view-large/figure/28932302/PME_01044_f3.jpeg


運動テスト実施前(説明後)の段階でスコアは変わっているんですね~。
これはプラセボ効果とノセボ効果を意味しているといえるのでしょうか!?

さあさあ、じっくり吟味したいところですが、今日はここまで!

全文フリーの論文ですので、ぜひみなさんで抄読会のネタにしてみてください~~~~。