pharmacist's record

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髪の毛の色を黒く染めたら真面目になりますか?

大阪の高校で、生まれつき茶髪なのに黒染めを強要された女子生徒が訴訟を起こしたそうです。

私は倫理観そのものが欠落しているので、教育とは、なんてことを論じるつもりはないのですが、生まれつきなのに黒染めを強要した教師はなんのためにそんなことをしたんでしょうか。黒く染めることでどんな良いことがあると考えたんでしょうね。

"生まれつき"という点は置いといて、茶髪に染めた子に対して髪の毛の色を元に戻せっていう教育的指導について考えて見ましょう。

P:茶髪に染めた子
E:教師が黒染めを強要し、黒髪へ。
C:放置
O:???

アウトカムがパッと浮かびませんが…
学習態度が改善するか、真面目になるか(真面目ってなんなのかがそもそもわかりませんが)、とかですかね。
このあたりは教育側の方々が自由に決めていただいていいでしょう。

今までこのような介入を教育側が繰り返してきたのでしょうけど、その介入の効果はきちんと検討できているのでしょうか?そして、その効果は"誰が"評価してきたのでしょう?

なーんてことを考えてしまうわけですね。なにもかもEBMっぽく考えてしまう病です。

でも、これは大事なことですよ。
無駄な介入をしている可能性がありますからね。

まあ、個人的な感覚からしたら、こんな介入無意味だろって思います。
めちゃくちゃ不真面目な子は茶髪に染めているという相関関係はあるかもしれませんが、それを無理やり黒染めさせることでその子が真面目になるだろうっていうのはちょっと無理があるのではないかと思います。

オジサンたちが若い子が茶髪に染めるなんてけしからんっていう気持ちもわからなくはないですけどね…。
自分も学生のころから、茶髪に染めることの意義はまったく理解できていなかったので、なんで染めるんだろう…と口をポカーンと空けて茶色く染まった同級生の頭を眺めていました。

もしかして…、
染めたらモテるというエビデンスあるの!?(←そんなものはない)

いや、有害事象の検討も大事です!
父親の髪の毛が自然消失していくという減少を目の当たりにしている自分としては、髪染め!?頭皮へのダメージ!ダメ、ぜったい!!!と断固拒否でしたね。若いころに髪の毛で遊んでいた方の将来の髪の毛の量の相関を検討したエビデンスもプリーズ!!(←そんなものはない…と思う…。あったら教えて!)


そろそろ突っ込みが入りそうですね。
髪の毛の色そのものを問題視しているわけではない!校則を守れないということを問題視しているのだ!!!
と。

ふーむ。なるほどぉ。
そういう視点はあるかもしれないですね。
社会にでたら、どうでもいいルールがたくさんありますから、その予行練習ってことですかねぇ。

でも学生さんはバカではありません。
そんなことわかっとるわ!10代の楽しい時期だけは自由にさせてくれ!!!
と。

うーむ(←考えているフリ)。
校則を守ることの重要性は自分にはよくわかりません(←考えることを放棄した一例)。


ただ、校則を守るということで考えると…
おそらく髪の毛を染めてはいけませんっていう校則ですよね、だったら、生まれつき茶髪の子は対象外では??
その学校、どんな校則だったんでしょう…。黒髪じゃないとダメって校則なんですか?(なにそのヤバい校則!?)
校則的に、生まれつき黒髪じゃない子は黒染めしないと入れないような学校なら行かなくいいって思っちゃいますけど。

ちなみに、髪の毛を染めてはいけないっていう校則なら、白髪が混じってきた先生方も黒染めは不可になるのかな?美的観点から白髪の混じった教師が黒染めするのはアリってなったら、生徒から、ウチらも美的観点から染めてるの!って言われたら言い返せないと思いますけど。

髪の毛の色なんかでモメてないで、学校という舞台ではもっと大事なことがたくさんありそうですけどね(しらんけど)。


さきほどのPECOに戻りますが、
髪の毛を染めてはいけないとされながらも髪の毛を染めた子に対して、どんな介入が有効なのかをきちんと考えることは大事でしょう(そもそも有効って何?って感じではありますが)。必ずしもなにもかも放置でいいってわけではないと思います。

髪の毛を染めるという行為の裏にどんな心理が隠れているのかってことですね。
めちゃくちゃ真面目だった子が一転して、茶髪になったら、「ど、どうした!?」てオトナたちは気にしますよ、やっぱり。
その裏をきちんと探って、悪い方向へ向かおうとしているなら、教育者の力の見せ所でしょう。正しい道へ促してあげて欲しいです(簡単ではないでしょうけど)。なんだその髪の色は!って叱って強制的に黒髪に戻させるなんていう行為は教育ではありません。なぜそんなことをしたのかと優しく気にかけてくれたら、いい先生ですよねぇ。おせっかいだと生徒から嫌がられるでしょうけど汗。

教育なんてまったくわからないのに適当なことを書いたら教育に携わる方々から怒られてしまいそうですね。現役時代にも怒られていたというのに…
ちなみに思い返してみると、自分が怒られる理由は「やる気がない」でしたね(←いまも継続中。まるで成長していない…)。教師としては憎たらしい生徒だったことでしょう。担任の先生から顔をバーンってされましたしね。平手打ちではなく角ばった手の甲のほうで笑
で、その行為がどんな結果を生んだかというと、なにも変化はありませんでした。反省したかっていうと、そんなことはいっさいなかったですね。かといって、今となって恨んでいるかっていうとまったくそんなことはなく、まあ手も出してしまうくらい憎たらしかっただろうなぁって感じです。


私のように教育的指導が無になってしまう覇気のない人間もいますが、ひとつひとつの教育的指導が本当に良い結果を生んでいるのかきちんと評価することは大事だと思います。なんとなく指導により生徒が更生したと一方的に捉えてしまっていてはだめですよね。ただ単に生徒が見かけ上更生したように見えるようになっただけかもしれません。つまり上手に演じている…ハッ、それはそれで社会を上手に生き抜く術を学んだということに!

教育とはなんなのか…まったくわからずじまいですが、今日はこのあたりで締めます(締まってないけど)。