なんか見た!という感じのタイトルですが、20年フォローのコホート研究が発表されているみたいなので取り上げてみます。
Insomnia symptoms as a cause of type 2 diabetes Incidence: a 20 year cohort study. - PubMed - NCBI
BMC Psychiatry. 2017 Mar 16;17(1):94.
不眠症症状の累積暴露と2型糖尿病発生に因果関係があるかどうか評価した研究です。
ベースライン時に糖尿病のない方を対象にした20年フォローのコホート研究。
人数は1000名程度。
アウトカムの糖尿用発生は血液検査、(HbA1c ≥ 6.5% or 48 mmol/mol)と定義
調整した交絡因子は、喫煙、食事、肥満、飲酒、職業などなど。
結果は、OR1.34 (95% CI: 1.06-1.70)
あれ!やっぱ関係あるの!?と思ったら、未調整のオッズでした。
交絡を紐解いていくと、
OR1.08 (95% CI: 0.85-1.37)
結局、不眠症は糖尿病のリスクとなるという説は交絡によるものなんでしょうか…?
そうなると糖尿病を予防するために睡眠薬を、というのはますます許容しがたくなります。
このテーマに関して、他の文献も調べたわけではないのでなんともいえませんが、因果関係があるという観察研究もあるんですかね?もし、因果関係あり、とする観察研究が発表されているのであれば、交絡はどこまで補正されているのでしょうか。
観察研究の結果を見る上では、交絡という問題はつねに頭の片隅にいれておかないといけないですね。
ありとあらゆる交絡がありそうで、因果関係を暴くのは難しいような気がします。
うーん、観察研究の評価って本当に難しいですね。
という今日この頃。