えー、いきなり突拍子もないことを話題にしますが、「かわいい」という言葉ありますよね。
自分の中では、
・赤ちゃんがかわいい
・子犬がかわいい
・アニメキャラクターがかわいい
こんな使い方の言葉だと思っています。
あとは人の仕草に対しても使いますかね。
が、いつしか、あらゆるモノに対してかわいいかわいい言うようになりましたよね
「その服かわいいね」←まあこれはわかる
「あ、この帽子かわいい」←これもわかる
「その眼鏡かわいいね」←うん
なんとなくですが、それを身につけたらかわいいってニュアンスで使われてるんだろうなぁという感じ。
ところが、
「このお皿かわいい」←え??
「新車、かわいいね」←車が…?かわいい…か?
「このボールペンかわいい」←わ、わからない…
モノに対する“かわいい”という感性が自分にはまったくないようです。
良いデザインに対する褒め言葉として用いられるんでしょうか。
たとえば、
女性が選好するオフィス環境・アメニティ空間と家具に関する研究
人間生活文化研究 Vol. 2016 (2016) No. 26 p. 535-541
「椅子」にも、かわいい椅子、かわいくない椅子があるのですか…
まったくわかりません…
モノに対してもかわいいと表現する感覚がまったくわからないのは、自分がオジサン化しているということでしょうね。。。
さて、イントロダクションが脱線しまくりですが、今回とりあげる論文はBMJに載った論文です。
Ice cream evoked headaches (ICE-H) study: randomised trial of accelerated versus cautious ice cream eating regimen. - PubMed - NCBI
BMJ. 2002 Dec 21;325(7378):1445-6.
読んでいただければわかるのですが、
この論文…
かわいいのです
著者はカナダのミドルスクールの学生(中学生でしょうか)
論文を読むとき、自分は資金提供/COIをチェックしたりするのですが、この論文の資金提供は、
Funding:This work was supported by an unrestricted grant from mum and dad.
ってことで、パパとママからの助成金(おこづかい)だそうです。←か、かわいい!
さて、気になるテーマは
アイスクリーム!!←かわいい研究デーマじゃないですか!
研究デザインはRCT
PECOは、
P:カナダの中学生145名
E:アイスクリーム100mlを30秒以上かけて食べる
C:アイスクリーム100mlを5秒以内に食べる
O:頭痛の有無と持続時間
サンプルサイズも記載されており、80%の検出力で各群71名。
慎重に食べる群で10%発生すると見積もり、両群の絶対差20%を想定
さて気になる結果はどうだったのでしょう
<アイスクリーム誘発頭痛>
ゆっくり食べる:9名/72名
はやく食べる:20名/73名
RR2.2(95%CI 1.03 to 4.94)
NNH;6.71
頭痛の持続時間の比較は残念ながら比較データなし
両群あわせて29名のうち17名は頭痛が10秒以上持続。
ゆっくり食べても意外と頭痛起きますね。
もっと差がつくかなと思ったのですが。
まあ自分は甘いものをほとんど食べないので、子供の頃の記憶しかないのですが、やはり急いで食べてしまってキーンと頭痛がした経験は何度もあります。
経験的にわかりきったことですが、定量的にデータを出すというのはおもしろいですね。
多分、著者のMaya Kaczorowskiさん、アイスクリームが好きなんでしょうね。微笑ましい研究です。
ちょっと和訳に自信がないのですが論文のサンプルサイズの項目の記述、
ママの言うとおりなら絶対リスク差は20%!と仮説をたてているみたいです(意訳が間違ってたらすません)
大好物のアイスを食べるとき、ママにゆっくり食べなさいとガミガミ言われてるのな?なんて想像しちゃいますね
いやぁ、かわいい論文でした。
それにしてもBMJに載るなんてすごいですね。夢があります。
いつか、二日酔い予防をアウトカムにしたRCTをやってみたいですね。
P:酒飲み医療従事者
E:二日酔い予防に効果があるとされる○○
C:可能であればプラセボ
O:二日酔いの重症度
是非やってみたい!という方、いらっしゃいませんかね~笑