痛風については、以前、偽痛風の鑑別で少し触れましたが、ガイドラインを読んでいたら、気になることが書いてあったので取り上げます。
偽痛風 (症例:高齢者の発熱) - pharmacist's record
尿酸ナトリウムによる結晶性関節炎で、突然の激しい痛みを伴う。しばしば夜間に発症(夜間に関節液中の尿酸濃度が高くなる、四肢の温度が低くなる)。関節は腫れて熱を持ち、関節部の皮膚は赤みを帯びる。
好発部位は、母趾MTP関節(親指の付け根)で、感度・特異度が高い。体温の低い部位に起こり、体幹に近い肩や股関節には起こりにくい。
痛風発作時の尿酸値は低値を示すことがあるので、診断的価値は高くない(健康診断などで、以前より尿酸値が高いと指摘されていたといった情報は有用)。
皮下組織に沈着した尿酸結晶が融合して、痛風結節(好発部位:耳介、足関節、肘、手指など)と呼ばれる無痛性のしこりができることがある。特異度は高く診断上価値はあるが頻度は低い。
<痛風の治療>
NSAIDs、コルヒチン、副腎皮質ステロイドなど
保険適応が通っているNSAIDsは、ナプロキセン、インドメタシン、プロラノプロフェンなど。短期間、比較的多量投与が一般的。
さて、この痛み止めの選択についてですが、1点注意事項があります。
たとえば尿酸が高いと指摘されていた方が足の親指の付け根に激痛があり患部が腫れたとなると、痛風の可能性が考えられます。受診するのがベストですが、状況によってはとりあえずドラッグストアで痛み止めを購入してその場を凌ぐという場面もあるのではないでしょうか。
OTCと呼ばれる一般用医薬品の鎮痛薬は、アスピリン含有製剤があります。
痛風治療のガイドラインでは、アスピリンは痛風発作には避けることとされています。痛風発作中に、尿酸値を低下させると痛風発作の悪化が懸念されますが、アスピリンは、少量投与で尿酸値軽度上昇、高用量(鎮痛用量)で尿酸値を低下させます。
痛風が疑われるときに市販の痛み止めを購入する場合、アスピリン製剤は避けたほうがよいと思います。患部を冷やして安静に保つことも大事です。 通常、2週間程度で痛風の関節炎は落ち着きますが再発を予防するためにも尿酸値の管理を行うために受診することが勧められます。
★抗血栓療法として服用している低用量アスピリンは勝手に中止してはいけません★
参考