ディレグラ発売後、3度目の花粉シーズンに入りました。適応にはいくつか制限があります。
- 中等度以上の鼻閉症状があるアレルギー性鼻炎
- 鼻閉症状が強い期間のみの最小限の期間にとどめ、改善したら抗ヒスタミン剤単独製剤への切り替えを考慮(2週間を超えて投与したときの有効性・安全性が未検討)
- 効果が認められない場合は漫然と長期投与しない
- 12歳未満の小児は安全性未確立
※鼻閉重症度分類(主に口呼吸の頻度により分類)
- 最重症:1日中完全に詰まっている
- 重症:鼻閉が非常に強く、口呼吸が多い
- 中等度:鼻閉が強く、ときどき口呼吸
- 軽症:口呼吸はまったくないが、鼻閉あり
〈食事の影響〉
PSEは食前・食後投与でCmax、AUCはほぼ同等であるのに対し、フェキソフェナジンは食後に投与するとCmax、AUCがともに1/3程度まで低下する。⇒朝夕食前空腹時投与
〈服用上の注意〉
- 糞便中にゴーストタブレットがみられることあり
- 徐放層を含む錠剤のため噛み砕いての服用は不可
〈副作用〉
口渇、頭痛、動悸、不眠、血圧上昇、眠気、めまい、排尿困難、胃腸障害など
プソイドエフェドリンPSEの交感神経刺激作用による不眠、めまい、頭痛、口渇、動悸、血圧上昇、排尿困難に注意が必要かと思います。
PSEによる不眠とフェキソフェナジンによる眠気、どちらも起こりうる可能性がありますが、フェキソフェナジンは元々眠気が少ない抗ヒスタミン剤として有名です。
使用成績調査では、副作用のほとんどが投与4週以内、とくに2週以内に発現していることから、やはり初回投与の際には、2週間処方で体質に合うか経過観察したほうが良さそうです。初回で長期処方すると返戻されることもあるようです。
今のところ連用による鼻閉悪化の報告はないようですが、ナファゾリンなどの点鼻用血管収縮剤では長期連用により鼻粘膜にあるα受容体のダウンレギュレーションが起こり、鼻閉悪化が見受けられるため添付文書のとおり漫然と長期連用しないほうが良いと思います。