加齢黄斑変性は米国では50歳以上の社会的失明の要因第1位だそうです。日本でも視覚障害の原因の第4位となっています。
年齢を重ねる(50歳~)とともに蓄積した老廃物(ドルーゼン)により目の網膜にある黄斑部が障害される。70歳以上に多い。
下記のとおり2種に大別
①滲出型:血管から水が滲み出て網膜を障害。新生血管ができる。進行早い。
②萎縮型:黄斑の網膜の細胞が減っていく。新生血管はできない。進行ゆっくり。
症状
- 変視症:中心部がウネウネと歪む。周辺部は見える
- 中心暗転:真ん中が黒くなって見えなくなる
- 中心がぼやける、不鮮明になる
- 視力低下:矯正視力が0.1以下まで低下することも。
リスク:加齢、喫煙(酸化ストレスが目に悪影響)、肥満、ビタミン不足、網膜に紫外線があたる、など
下記、ノバルティスさんの啓蒙サイトで自己チェックできます。
加齢黄斑変性症を自己チェック:ノバルティス ファーマ株式会社
〈加齢黄斑変性の予防〉
- 禁煙:喫煙は多くの研究で明らかになっている危険因子。
- 帽子やサングラスで強い日光をさける
- 予防効果がある食品を積極的にとる
予防効果のある食品とは?
アメリカで行われた臨床試験AREDS
A randomized, placebo-controlled, clinical trial of high-dose suppl... - PubMed - NCBI
参加者:ドルーゼンが認められる55~80歳のAMD患者3640名
アウトカム:AMDの進行
①抗酸化剤(ビタミンC500mg、ビタミンE400IU、ベータカロチン15mg)OR:0.80 (99% CI, 0.59-1.09),
②亜鉛80mg(酸化亜鉛として)、銅2mg(高用量の亜鉛による銅欠乏を防ぐ目的で、酸化第二銅として) OR:0.75 (99% CI, 0.55-1.03)
③抗酸化剤+亜鉛80mg OR:0.72(99% CI 0.52-0.98).
④プラセボ
この結果を踏まえ、ビタミンC500mg、ビタミンE400IU、βカロチン15mg、亜鉛80mg、銅2mgがAREDS処方としてAMD患者に使用されることがあります。
ただし、喫煙者の場合、βカロチンのとりすぎは肺がんリスクが懸念されており、βカロチンの代替としてカロテノイドの ルテイン10mg、ゼアキサンチン2mgが提案されているようです。
積極的にサプリメントを摂ることについては意見が分かれるところかと思いますが、緑黄色野菜など抗酸化ビタミンや、亜鉛などのミネラルをしっかり食事で摂ることが大事ではないかと思います。 どうしても食生活が偏ってしまう方はサプリメントも検討してみてもいいかもしれません。