梅味のチューイングガムを食べていたら、なにやら異物が混ざっていました。
なにを混ぜてくれやがるんだ!と思って、吐き出してみると、銀歯でした。
なんで銀歯がまざっているんだ!!?
誰の銀歯だ、ふざけるな!
……
そもそも板ガムですから、なぞの固形物がまざっているわけもないことは一目瞭然。
もちろん私の銀歯です。
詰め物がとれたのです。
というわけで歯医者に行きました。
まあ今回はたいしたことはなかったのですが、ひどい虫歯になったときの治療となったら壮絶ですよね。
あのチュイーンという音に恐怖を覚える方も多いでしょう。
私は、親知らずは残っているのですが、親知らずの抜歯はめちゃくちゃ痛いっていいますよね。
そんなわけで、親知らず抜歯後の痛みに対する鎮痛薬の効果比較のRCTをご紹介します。
いつものRCTの図解ですが、海外ではビジュアルアブストラクトと呼ばれています。
(海外では、講演のスライドのような感じで、横長のデザインが主流)
ビジュアルアブストラクトってかっこいいですが、長~いので、このブログではビジアブと略すことにしましょう。
Analgesic Efficacy of an Acetaminophen/Ibuprofen Fixed-Dose Combination in Moderate to Severe Postoperative Dental Pain: A Randomized, Double-Blind... - PubMed - NCBI
Clin Ther. 2018 Sep 20. pii: S0149-2918(18)30382-5. PMID:30245281
親知らず(third molars)抜歯後6時間以内をベースラインとし、100mmVAS(高いほうが重症)で40mm以上の方が試験対象となりました。
使用された薬剤は、イブプロフェンとアセトアミノフェンです。
併用 vs 各単剤 vs プラセボの4群比較
投与法は、1日4回投与で2日間。ビジアブに載せた用量は1回量です。
けっこうな用量ですね。日本の市販の歯痛止めでこんなに配合されている製品はなさそう…。
(ちなみに、レスキュー薬として許可されていたのがオキシコドン…。海外の研究ですので、いろいろと日本とはかけ離れている部分もあります)
脱落は少ないので結果に影響はないでしょう。
一次評価項目は、ベースラインから48時間の疼痛強度を時間調整をした上で比較しています。
疼痛強度の差なので、数値が大きければ痛みの改善の度合いが大きいということです。
ベースラインが50台くらいなので、併用群はけっこう効いてる印象。
プラセボも軽減してますが、これはプラセボ効果ではなく時間経過ととらえたほうがよいでしょうね。
レスキューの使用割合は、併用、アセト、イブ、プラセボの順で、23.9%、53.2%、43.2%、81.3%
ちょっとプラセボ群に割り当てられた方が可哀想になってきますね。プラセボの方々はお辛かったことでしょう。
<感想>
風邪の咽頭痛に対する鎮痛薬は微妙な印象でしたが、歯の痛みにはやっぱ効きますね。
(自分もたびたびお世話になっております。NSAIDsよ、ありがとう!)
市販薬の痛み止めで、イブプロフェンとアセトアミノフェンを配合している製剤がけっこうあって、あれって意味があるのかな?と思っていた(←これが今回のCQでした)のですが、効果が相殺されて意味がない…みたいなことはなく、歯の痛みに対しては足し算的に効果が増しそうな印象です。
これは親知らず抜歯後の痛みが対象ですが、虫歯の痛みでも似たような結果になるんじゃないかと思います。
というわけで、「歯が痛い!歯医者に行く余裕がないので、とりあえず痛み止めをくれ!」と来局した方には、単剤よりも両方配合されてる市販薬をおすすめしたほうが効果が高そうですね。