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pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

シナカルセト(NEJM2012)

Effect of cinacalcet on cardiovascular disease in patients undergoing dialysis. - PubMed - NCBI
N Engl J Med. 2012 Dec 27;367(26):2482-94

背景:シナカルセトは副甲状腺細胞のカルシウム受容体に作用する作動薬で、副甲状腺ホルモン(PTH;parathyroid hormone)を低下させ、血清カルシウムやリンを減少させる。
(Effects of the calcimimetic cinacalcet HCl on cardiovascular disease, fracture, and health-related quality of life in secondary hyperparathyroidism http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16164656)この研究では、CVイベントや骨折、副甲状腺摘出術を減らした。

研究デザイン:In this multicenter, prospective, randomized, placebo-controlled trial
The sponsor, investigators, and patients were unaware of the treatment assignments=盲検化あり.

P:透析を受けている中等度~重度の二次性副甲状腺機能亢進症の成人3883名
(右記の通常療法は継続 including phosphate binders, vitamin D sterols, or both)
E:シナカルセト
C:プラセボ
O:the time to death or the first nonfatal cardiovascular event (myocardial infarction, hospitalization for unstable angina, heart failure, or a peripheral vascular event),

選定基準は
週3回の維持血液透析(3ヶ月以上)
血清Ca:8.4mg/dL以上
PTH:300 pg/mL以上(→集められた患者の中央値は、693 pg per milliliter [10th to 90th percentile, 363 to 1694] アブストより)
などなど。

<結果>
フォローアップ期間
シナカルセト:21.2 months
プラセボ:17.5months

シナカルセトの用量55mg(10th to 90th percentile, 28 to 130)

●プライマリエンドポイント(the time to death or the first nonfatal cardiovascular event)
シナカルセト:48.2%(死亡703名、MI187名、不安定狭心症入院56名、心不全エピソード206名、末梢血管疾患184名)
プラセボ:49.2%(死亡718名、MI183名、不安定狭心症入院66名、心不全エピソード236名、末梢血管疾患200名)
relative hazard:0.93(95%CI 0.85 to 1.02; P=0.11).


ということですが、
Fig1をみると、
薬を続けられなかった人がめちゃくちゃ多い!!?

In the placebo group, 384 of 1935 patients (19.8%) began receiving commercially available cinacalcet before the occurrence of a primary event (corresponding to an annual rate of 7.4%).
In the cinacalcet group, 1207 of 1948 patients (62.0%) discontinued the study drug, corresponding to an annual rate of 27.3%.

プラセボ1935名のうち384名がシナカルセトを服用開始した」という解釈でよいのでしょうか!!??

Intention-to-Treat Analysisなので、当然有意差は出にくくなる
途中から差が縮み始めたのは、プラセボ群がシナカルセトを飲み始めたからなのか!?

ちなみに有害事象は、
吐き気と嘔吐、低Ca血症は、シナカルセト群のほうが有意に多い。という結果。
まあ、有害事象により脱落したのであれば、解析対象としたほうが良いと思うのですが(リアルワールドで服用しても結局有害事象で脱落してしまうのなら、効果が得られないので)


もうなんか脱落が多すぎて、わけわからないことになっているな、と思いました。。。