pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

妊娠中の歯周病治療で早産を減らせる?

Obstetric outcomes after treatment of periodontal disease during pregnancy: systematic review and meta-analysis. - PubMed - NCBI
BMJ. 2010 Dec 29;341:c7017
研究デザイン:RCTのメタアナリシス
P:歯周病(歯周炎や歯肉炎)の妊婦 pregnant women with confirmed periodontal disease(periodontitis or gingivitis)
E:treated with scaling and root planing
C:治療なしor予防prophylaxis
O:早産preterm birth
(セカンダリ;low birth weight (<2,500g)、自然流産spontaneous abortions、死産stillbirthsなど)

除外:早産の防止の治療を受けた患者の試験
元論文バイアス:Cochrane risk of bias toolで評価(sequence generation, allocation concealment, blinding, outcome assessent and reporting bias.)
Trial quality was rated as high (low risk of bias), low (high risk of bias) or unclear.

評価者バイアス:データのサーチや抽出、評価など、Two independent reviewersが実施

異質性バイアス:assessed using the X2 test and I2 statistic

出版バイアス:
言語制限なしwithout language restrictions
リファレンスからさらなるサーチを行っている。
ハンドサーチも実施
ファンネルプロットで評価using a contour funnel plot and Harbord's modified test
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3011371/figure/fig8/

各試験のデータはtable1

<結果>
37週前の早産preterm birth before 37 weeks
Overall:OR0.93(95% CI 0.79 to l1.10, I2=61%; 11 trials)
high-quality trials:OR1.15(95% CI 0.95 to 1.40, I2=1%; five trials, n=4,718).
low-quality trials :OR0.52(0.38 to 0.72 I2=0% 6trials n=1721)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3011371/figure/fig3/


Low birthweight infants (<2500 g)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3011371/figure/fig7/


<感想>
歯周病は早産リスクとの関連が示唆されていたようですが、もしや交絡だったのか!?という気もしてきて、そちらの観察研究の論文もみてみたくなりますね。残念ながら歯周病の治療が早産リスクを減らすかどうかは微妙な感じです…。
早産防止を目的とした推奨は微妙かもしれませんが、言い換えれば、「歯周病の治療をしても出産関連のアウトカムに悪影響はなさそうだな」と肯定的に捉えることもできます。

妊娠中は唾液分泌が低下したり、つわりで歯磨きが辛かったりと、歯周病になりやすくなるみたいです。
母親に虫歯があると子供も虫歯になりやすいといったデータもあるらしいです(その論文は読んでないですが…泣)
妊娠中だからといって歯のケアを躊躇することはなさそうですね
ただ、2014年の産科GLでは、妊婦の虫歯・歯周病について「胎児への影響が懸念される妊娠初期は緊急性の高い歯科疾患治療に限定する」とされていますので、歯科治療の時期については産婦人科Drにご相談することをおすすめします。