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pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

高齢者におけるプレガバリンの有効性と安全性

Evaluation of the safety and efficacy of pregabalin in older patients with neuropathic pain: results from a pooled analysis of 11 clinical studies. - PubMed - NCBI
BMC Fam Pract. 2010 Nov 5;11:85

研究デザイン:11のDB-RCTの統合解析(pooled analysis)
P:male and female patients aged ≥18 years with patients with painful diabetic peripheral neuropathy (DPN) or postherpetic neuralgia (PHN)
(18歳以上の痛みを伴う糖尿病性末梢神経障害、帯状疱疹後神経痛)
E:プレガバリン(75 to 600 mg/day)
C:プラセボ
O:
Efficacy:change in Daily Pain Rating Scale score, ≥30% and ≥50% responders, and endpoint pain score ≤3.
Safety:adverse events (AEs)
試験期間:5~13週

Daily Pain Rating Scale(DPRS)
once daily from 0 ["no pain"] to 10 ["worst possible pain
(参照:Efficacy and tolerability of pregabalin using a flexible, optimized dose schedule in Korean patients with peripheral neuropathic pain: a 10-week, r... - PubMed - NCBI)

<Study Selection>
1) were Pfizer Inc.-sponsored studies completed prior to the end of 2006
2) were randomized, parallel, placebo-controlled, and double-blind
3) had at least 1 fixed-dose pregabalin treatment arm
4) had in-house, patient-level efficacy and safety data available
5) had similar treatment durations
6) had same primary outcome.

ファイザー主催22試験のうち、8試験が除外

<Patient Population>
DPN(type1,type2 HbA1c levels ≤11%) 診断から1年以上(2試験例外 それぞれ3ヶ月以上、6ヶ月以上)
PHN 帯状疱疹の発疹治癒後、3ヶ月以上3試験、6ヶ月以1試験

scores ≥40 mm on the visual analog scale of the Short-Form McGill Pain Questionnaire
average Daily Pain Rating Scale (DPRS) score ≥4 derived from at least 4 diary entries during the 1-week baseline period

DPRS (0 = no pain to 10 = worst possible pain).

腎機能による除外;Ccr30mL/min以下(3試験)、Ccr60mL/min以下(4試験)

以前gabapentin at dosages ≥1200 mg/dayでの治療に応答しなかった患者を除外 (11試験のうち6試験)

<characteristics at baseline>
男女比:ほぼ同等
人種:9割以上が白人
平均体重:DPN90kg、PHN70kg~80kg
DPRS:約6.5
Ccr:DPN100mL/min、PHN70~80mL/min
年齢:DPN[18-64y,65-74 y,≥75y:70%,25%,5%]、PHN[18-64y,65-74y,≥75y:20%,40%,40%]
(平均年齢はPHNの患者集団のほうが高い)

<結果>
A;pain B;sleep interference(fig2)
f:id:ph_minimal:20160619205800j:plain


adverse event(table3)
PubMed Central, Table 3: BMC Fam Pract. 2010; 11: 85. Published online 2010 Nov 5. doi: 10.1186/1471-2296-11-85

Dizziness 150mg/日ではプラセボ(5~15%程度)と大差ないが75歳以上では20%。用量依存的に増加し、600mg/日ではだいたい30~40%(年齢による差ははっきりしない)
Somnolence プラセボ(0~7%)と比べて150mg/日で微増(約10%)。用量依存的に増加、高用量では10~30%
Peripheral edema プラセボ(3~9%)、とくにDPNでの発生が多いこともあって明確な差がないように見えるが、65歳未満、65~74歳では用量依存的に増加、600mg/日で65歳未満15%、65~74歳17%。75歳以上は投与量に関わらずやや増加傾向?
Asthenia(無力症) プラセボでも数%。600mg/日では増加気味といえるかも?
Dry mouth プラセボで0~5%。実薬でやや増加。用量依存性ははっきりしない印象
Weight gain プラセボで1~2%。600mg/日では10%近く発生している


<感想>
ファイザーがスポンサーの試験が集められたようです。

グラフを見ると、用量依存的に効いているように見えます。Endpoint pain score3以下の割合も用量依存的に多い、という結果。
用量増やしたほうが効果はありそうですが、有害事象の懸念も。とくに高齢者ではどうか?という問題もあります

少なくともtable3を見る限りだと65歳未満だから有害事象が少ないといった傾向はみられないですね。
どの有害事象も用量が多いほうが増加傾向といえそうな結果。腎機能低下が除外基準としてあげられていた試験も多かったようなので、腎機能に応じた用量調節はきちんと行ったほうが良いのではないかと。

Limitationとしては、post hoc analysis(事後解析)であること、年齢別・用量別のn数のバランスが悪い、各試験で選定基準が微妙に異なっている(腎機能など)などがあげられます。

高齢者でも若年層と同じように鎮痛効果が得られ、有害事象の増加もみられていない(conclusionより)とはいえ、用量依存性はあるため、とくに高齢者においては、安易に高用量投与とせず、少ない用量から徐々に漸増して有効性と安全性のバランスをみて投与量を設定するのが良いと思います。