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pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

ダイエットで乾癬が改善する?

乾癬とダイエットのメタアナリシス(アブストのみ)
Effect of lifestyle weight loss intervention on disease severity in patients with psoriasis: a systematic review and meta-analysis. - PubMed - NCBI
Int J Obes (Lond). 2015 Aug;39(8):1197-202
背景:乾癬は関節症状を伴う皮膚の慢性炎症性疾患である。治療抵抗性は肥満と関連があるとされているが体重減量の効果ははっきりしていない。

研究デザイン:RCTのメタアナリシス
P:肥満の乾癬患者(overweight or obese)
E:食事や運動などの生活習慣介入による減量
O:乾癬の重症度

12のRCTのうち7RCT(n=878)が選定基準に適合

weight loss intervention vs controls
PASI score mean difference of -2.49 (95%CI -3.90 to -1.08) P=0.004
PASI score75%減少 odds ratio of 2.92 (95%CI 1.39-6.13)P=0.005

 
※PASIスコア(Psoriasis Area Severity Index score)
皮疹を部位[頭部、体幹、上肢、下肢]ごとに評価(評価者は患者本人ではなく医師)
・紅斑(赤み)
・鱗屑(角質のガサガサ程度)
・浸潤/肥厚(細胞浸潤の度合いを硬さで判断)
を0~4点で評価し、
さらに部位別の体表面積あたりの病巣範囲の面積を6段階に分けて評価
合計スコア:0~72点
一般に、
軽症:10~15点未満
中等症:10~25点
重症:20~30点以上


<感想>
詳細が不明ですが、1つ1つのRCTは小規模のようですね。7RCTで878名ですし。
PASIは満点で72点なので、平均差2.5点ってたいしたことなくない?とも思いましたが、軽症~重症の目安はだいたい20~30点以上で重症ということで、2.5点差もあなどれないかもしれません。
PASIスコア75%減少のオッズが2.92ですし、太っているなら減量を試みる価値はありそうです。

こちらは1年前に発表のRCTですが、もしかしたら時期的に2015年のメタアナリシスには含まれていないかもしれないので軽く触れておきます。
Diet and physical exercise in psoriasis: a randomized controlled trial. - PubMed - NCBI
Br J Dermatol. 2014 Mar;170(3):634-42.
背景:BMIや体重増加は乾癬のリスクファクターである。乾癬患者における肥満症の有病率は一般集団より高い。乾癬患者における食事療法の役割に関するデータは限られている。

研究デザイン:RCT,ITT解析
P:303 overweight or obese patients with moderate-to-severe chronic plaque psoriasis who did not achieve clearance after 4 weeks of continuous systemic treatment.(4週間の内服治療で改善しない中等度~重度の乾癬肥満患者303名)
E:quantitative(定量的) and qualitative(定性的) dietary plan associated with physical exercise for weight loss
C:simple informative counselling at baseline about the utility of weight loss for clinical control of psoriatic disease(体重減少に有益なシンプルなカウンセリング?)
O:PASIスコアの減少(ベースラインからの変化)
試験期間:20週

dietary intervention arm information-only arm p value
PASI reduction(プライマリ) 48%(95%CI 33.3-58.3%) 25.5%(95%CI 18.2-33.3%) P=0.02
PASI score reduction of ≥ 50% 49.7% 34.2% P=0.006
減量目標達成率(5%以上の体重減少) 29.8% 14.5% P=0.001

303名のRCTですが、治療抵抗性の肥満乾癬患者に対するダイエットによる減量は乾癬の改善が期待できそうですね。
ただ、このRCTも前述のメタアナリシスも、過体重/肥満患者が対象なので、太っていない乾癬患者さんには適応できない可能性はありますのでその点は要注意。

薬物治療と違って副作用の懸念はまずないですし(運動は疲れる/食事制限はつらい…ですが)、コストもかかりませんので(食事量を減らすのでむしろ節約になるかも!?)、治療がうまくいっていない肥満傾向の乾癬患者さんはまず減量してみるのも一考かと思います。