巷にはいろんな情報が溢れていますね。
みなさん、どう処理しているのでしょう。
海外はどうか知りませんが、少なくとも国内ではひたすら情報を詰め込むことをメインとする教育になっているように思います。「与えられた情報が正しいかどうか吟味する」というとても重要なことは誰も教えてくれません。たくさん暗記した学生がテストの点数も高くなり優秀ということになります(数学は別ですが)
そのような"優秀な学生"さんが社会に出て、変な情報を掴まされて"洗脳"されたりするのかもしれません。取り込む情報を間違えるととんでもないことになってしまいます。
学校の先生から「新聞を読みなさい」と言われたりしましたが(まるで新聞に書いてあることはすべて正しいとでも言いそうな口ぶりで)、新聞に書いてあることの間違いを見抜く方法は教えてくれません。
インフルエンザワクチンは効果がない? - pharmacist's record
この論文も某新聞で取り上げられましたが、ちょっと誤解を生むような微妙な内容の記事でした。
もちろん新聞などのメディアを批判しているわけではありません。
勉強するという姿勢はとても大事です。
新聞を読まないことが優秀というわけではありません。
大事なのは「たくさんの情報を丸呑みすること」ではなく、「情報を吟味すること」なのではないでしょうか。
よく噛まずに食べちゃダメですよ(疑うことなくなんでも鵜呑みにしちゃダメ)、ということです。
しっかりと噛んで(吟味して)、飲み込みましょう(活用する)。
よく噛んでいるうちに、ああ、これは毒だわ、と思ったらペッと吐き出すべきです。
かといって、食わず嫌いもダメですね(勉強放棄もよくない)。毒を恐れてなにも食べなかったら餓死しちゃいます。
医療者もこの点はとても重要ではないでしょうか
大学ではたくさん覚えることがあって、情報を詰め込むので精一杯かもしれませんが、そこはちょっとゆとりを持たせて、情報の吟味について(あと情報の集め方も)、徹底的に教わったほうがいいのではないかと思います。
つまり、EBMということになりますね。
論文の解釈はとても難しくてめまいがしてしまう毎日なのですが、「エビデンスはありまぁす!」という言葉を丸呑みするのはちょっとどうかなぁ?と思ったり。
とくに薬局で多い気がするんですよね。
勉強会なんかで、「それはエビデンスはありますか?」「あります!」みたいなやり取りをみると、うーん…ってなります。
医学論文を読まない薬剤師さんは、エビデンスがあるかないかの二元論なんですよね。大事なのはその中身だと思います。
自分はまだまだ初心者レベルなので、ヒーヒー言いながら読んでますが、スラスラ読めるようになるとすごいですよね。
このブログも、自分に情報を詰め込むことを目的として行っているのではなく、たくさん論文を読んで、もっとスラスラ読めるようになりたくて、なんだかんだで続いております。
つまり、キバを磨いているという感じです。
自分のキバが鈍いせいで、情報を咀嚼するのがとても遅い…。
なので、自分の口の中は食べ物でいっぱい。飲み込むのも吐き出すのもできないくらい未読文献がたまっていく一方です。
いつか怪物のごとく凄まじいキバに成長したら、医学論文をスラスラ読んで吟味して…。
うーん、遠い未来になりそうです。