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pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

米国における計画外妊娠の推移

婦人科

NEJMのツイッターアカウントよりある画像がアップされました。
なんだろうと思って見てみると、Unintended Pregnancy(計画外妊娠/望まない妊娠)のグラフでした。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsa1506575
"Declines in Unintended Pregnancy in the United States, 2008–2011"
N Engl J Med 2016; 374:843-852

Fig1です。見難いですが2008年以降減少しています。
2011年以降が気になるところですが、近年減少傾向にあるようです。

この分野に疎くてまったくわからないので、米国の緊急避妊薬の動向について調べてみました。
(さまざまな過去のネット上の記事を参考にしました)
2006年 FDAが緊急避妊薬「Plan B」を18歳以上に限定し、処方せん無しでの販売を承認(17歳以下は処方せんが必要)。購入の際にはIDの提示が必要。性交後72時間以内の服用で妊娠阻止率8~9割程度。
2009年 OTCとして処方せん無しでの販売の年齢制限を17歳以上に引き下げ
2013年 年齢制限を15歳以上に引き下げ(FDA makes access easier to morning-after pill - CNN.com 値段は50ドル)

緊急避妊薬のOTC化が米国の望まない妊娠を減少させた一因といえるかもしれませんが直接的な理由とは断定はできないといったところでしょうか(NEJMの文献のアブストラクトでは、OTC化との関連については一切触れられていません)。
緊急避妊薬ではSTI(Sexually Transmitted Infections)は防げませんので、簡単に手に入るようになることで、避妊具の使用が減少してしまわないような教育も必要かと思います。OTC化によるSTIの増加がないかどうかのデータがあるのなら見てみたいですね。

さて、日本では処方せん無しでの販売は認められていませんが、緊急避妊薬として、Plan bと同じ成分であるレボノルゲストレル製剤のノルレボ®が承認されています(処方せんが必要)。保険はきかないので自費となります。
国内第3相試験では、性交後72時間以内、レボノルゲストレル1回1.5mg投与で、妊娠1例/63例、妊娠阻止率81%

日本産婦人科学会の「緊急避妊法の適正使用に関する指針 2013年2月」も参考になるかと思います(ネット上で閲覧可能)

日本ではまだOTC化の予定はないようですが、今後議論が進んでいく問題ではないかと思います。