Early Versus Delayed Initiation of Concurrent Palliative Oncology Care: Patient Outcomes in the ENABLE III Randomized Controlled Trial. - PubMed - NCBI
J Clin Oncol. 2015 May 1;33(13):1438-45
目的:数々のRCTで、統合されたオンコロジーや緩和ケアが支持されてきたが、最適なタイミングは評価されていないため早期緩和ケアと遅延緩和ケアを比較
介入:緩和ケア遠隔医療看護師のコーチングセッション(週あたり1回6セッション)における緩和ケアの相談、毎月のフォローアップ
P:進行がん患者207名
E:登録後すぐに開始
C:登録3か月後に開始
O:QOL、症状への影響、気分、1年生存率、リソースの利用(病院/ICUの滞在日数、緊急治療室、最後の14日間での化学療法、看取りの場所)
※telehealth:ネットワークを通じて患者に行う遠隔医療
<結果>
患者報告のアウトカムは有意ではなかった
P値 | P値(before death) | |
QOL | P=0.34 | P=0.73 |
症状への影響 | P=0.09 | P=0.3 |
気分 | P=0.33 | P=0.82 |
1年生存率
early | delayed | P値 | |
1年生存率 | 63% | 48% | 0.038 |
リソースの利用については有意差なし
独居での看取りは54%(early)、47%(delayed)
QOLが改善したわけではないようなので、寿命が延びたことでどんな幸せを享受できるかが問題ではありますが、看護師さんの介入で寿命が延びるとしたら凄いことです。
たしかに看護師さんが与えてくれる安心感ってありますよね。
自分が体調崩してERのベッドで寝てるとき、傍に看護師さんがいるだけで落ち着くんですよね。そして、看護師さんが席を外して誰もいなくなったときの不安感ときたらもう…笑
QOLなどの患者報告のアウトカムの改善はみられないのに寿命は延びているという、どう解釈していいかわからない結果ですが、1年生存率が15%も差がついていますので、緩和ケアは早期導入が望ましいする根拠の一つとなると思います。