pharmacist's record

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イミプラミン/パロキセチンと青年

Restoring Study 329: efficacy and harms of paroxetine and imipramine in treatment of major depression in adolescence. - PubMed - NCBI
BMJ. 2015 Sep 16;351:h4320
SmithKline Beecham's Study 329の再解析
1994〜1998年

P:大うつ病の12~18歳の青年275名(平均年齢15歳、HAM-D18~19点)
E1:パロキセチン(20〜40m g) n=93
E2イミプラミン(200〜300mg) n=95
C:プラセボ n=87
O:HAM-D(0~52点)の変化。レスポンダーの定義:HAM-D50%以上減少 or HAM-D8点以下

試験期間:8週間

<選定基準>
・the Hamilton depression scale(HAM-D)(17項目)≥12
・the children’s global assessment scale (CGAS)<60
・医学的に健康
・IQ ≥80

<除外基準>
双極性障害、統合失調性感情障害、拒食症/過食症強迫性障害OCDなどの精神疾患の現病歴/既往歴
・12か月以内のPTSD
自殺念慮、自殺企画
てんかん
・妊婦
など

コンプライアンス不良(受診時2回連続で、服用率80%未満 or 120%以上)で試験中止


<結果>

パロキセチン イミプラミン プラセボ
HAM-Dスコアの減少 10.7(95%CI 9.1-12.3) 9.0(95%CI 7.4-10.5) 9.1(95%CI 7.5-10.7)
HAM-D response 66.7% 58.5% 55.2%
自殺行動/自傷行為 11 4(確定:3、可能性あり:1) 2(確定:1、可能性あり:1)

試験中断の理由

パロキセチン イミプラミン プラセボ
自殺傾向 5 2 1
鎮静 1 1 0
吐き気/嘔吐 1 5 1
発疹/にきび 0 3 1
心臓(cardiac) 1 15 2
躁病(mania) 2 0 0
コンプライアンス不良 1 4 4
total 27 38 21

プラセボ強し、という印象です
有害事象については、パロキセチン自殺念慮に注意、イミプラミンは心毒性に注意というところでしょうか

それにしてもイミプラミンの用量が多いですね。
↓こちらのコクランレビューでもそうでしたが。
三環系抗うつ薬と小児/青年 - pharmacist's record