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pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

セチリジンvsロラタジン/第二世代抗ヒスタミン薬の特徴

皮膚科 耳鼻咽喉科 DI

秋の花粉で鼻炎症状をきたして来局する患者さんが見受けられるようになってきました。
セチリジンvsロラタジン(ともにプソイドエフェドリンPSEと併用)の文献があったのでご紹介。

A randomized controlled trial of cetirizine plus pseudoephedrine versus loratadine plus pseudoephedrine for perennial allergic rhinitis. - PubMed - NCBI
Asian Pac J Allergy Immunol. 2006
二重盲検ランダム化並列試験
P:通年性アレルギー性鼻炎(12~70歳、鼻炎2年以上持続)51人登録、治療完了45人
E:セチリジン+PSE(C+P) 1日2回4週間
C:ロラタジン+PSE(L+P) 1日2回4週間
O: Nasal total symptom scale (NTSS)

評価方法
Nasal total symptom scale (NTSS)
くしゃみ、鼻漏、鼻のかゆみ、鼻づまりなど

4週間後、被験者による評価
NTSS減少の平均差は
C+P -4.25 +/- 2.45
L+P -3.52 +/- 2.41

研究者による評価
2週間後くしゃみ (C+P -1.13 vs.L+P -0.52)
4週間後鼻づまり (C+P -1.71 vs.L+P -1.19)

有害事象有意差なし。
効果も両群において有意差はないが、セチリジンのほうがやや有効

NTSSの総点数が何点となるスコアなのかが気になるところですが、Total Nasal Symptom Score(TNSS)と同義でしょうか

「The Total Nasal Symptom Score (TNSS; possible score of 0-12) is the sum of 4 individual participant-assessed symptom scores for rhinorrhea, nasal congestion, nasal itching, and sneezing, each evaluated using a scale of 0=None, 1=Mild, 2=Moderate, or 3=Severe」
Allergy Asthma Proc. 2011 Nov-Dec;32(6):472-81より

総合鼻症状スコア(total nasal symptom score: TNSS)TNSSは鼻症状(鼻漏、鼻閉、鼻のかゆみ、くしゃみ)4項目の程度を各項目0~3点で評価したスコア(計0~12点)

計12点のスコアで、1点に満たない点数差であれば、ほとんど効果に差はないと見てもいいような気がしますね。
どちらかに優劣をつけるならセチリジンのほうが強いかなという印象です(PSEがベースで入っていますし、症例数が少ないので一概には言えませんが)。


どの薬が一番良く効くか花粉症患者さんから質問されることもあるかと思いますが、優劣をつけるのは難しいですね。
花粉症で用いる第二世代の抗ヒスタミン薬の特徴をまとめてみます。

第二世代抗ヒスタミン

即効性が期待(Tmax)※1 オロパタジン(Tmax1)、レボセチリジン(Tmax1)、ベポタスチン(Tmax1~1.1)、エピナスチン(Tmax1.9)、フェキソフェナジン(Tmax2.2)、ロラタジン(活性代謝物Tmax2.3)
眠気が少ない(添付文書に運転等に関する注意喚起の記載なし)※2 ロラタジン、フェキソフェナジン
腎機能低下例で使用可※3 【腎機能正常者と同量:エバスチン、エピナスチン、ケトチフェン、メキタジンなど】【減量不要だが慎重に:ロラタジン、オキサトミド】
妊婦(TGA ※4) ロラタジン(B1)、フェキソフェナジン(B2)、セチリジン/セボセチリジン(B2)

※1 どの薬剤も単回投与と反復投与のCmaxの差がほとんどないことから、単回投与で効果発現すると考えられる(蓄積傾向なし:ベポタスチン、エピナスチン、フェキソフェナジン 累積係数;レボセチリジン1.08、ロラタジン1.3 Cmax反復/単回:オロパタジン1.14倍)
※2 抗ヒスタミン薬による鎮静についてはこちらを参照
眠気が少ない花粉症薬は?(抗ヒスタミン薬と鎮静) - pharmacist's record

※3 CKD2012参照
※4 オーストラリア分類TGAより ちなみに第一世代のクロルフェニラミンはTGA分類でA判定。
鼻アレルギー診療ガイドライン2013によると、

妊娠初期(4~7週) 原則使用せず、温熱療法
妊娠前期(3~4ヶ月) 温熱療法もしくは局所外用剤(点鼻、点眼)を考慮
妊娠中期以降(5ヶ月~) 温熱療法もしくは局所外用剤(点鼻、点眼)、経口抗アレルギー薬短期投与

妊婦に絶対安全と保障されている薬はほとんどなく、患者さんと相談の上で有益性を考慮しての投与となるのが現状だと思います。

特徴的な禁忌

ケトチフェン てんかんに禁忌
メキタジン 緑内障/前立腺などの下部尿路閉塞性疾患に禁忌
オキサトミド 妊婦に禁忌
レボセチリジン/セチリジン 重度の腎障害(Ccr10mL/min未満)に禁忌

禁忌項目について微妙に相違点があるので注意です。他にも要注意な禁忌項目の相違があるかもしれませんので、各種添付文書をご確認ください。


花粉症の飲み薬はどの薬がベストというのではなく、患者さんの体質や生活習慣にあったものを選択するが良いと思います。