高血圧の患者さんは国内で800万人程度と推測され(H20年)、そのほとんどが本態性高血圧ですが、まれに二次性の高血圧が隠れていることがあります(5~10%程度)。コントロール不良の高血圧の場合、二次性高血圧を念頭にいれる必要があります。高血圧以外の随伴症状によって二次性高血圧がピックアップできることもあります。
高血圧+顔つきの変化・手足の肥大→先端巨大症を疑う
先端巨大症(アクロメガリー)
下垂体の良性腫瘍が原因で成長ホルモンが過剰
成長ホルモンの働き:脂肪分解、血糖値上昇、水・電解質代謝、骨形成、タンパク合成
<症状>
- 顔つきの変化→あごの突出、鼻翼が大きい、下顎が長い
- 手足の肥大→昔の指輪や靴があわなくなるなど
- 睡眠時無呼吸症候群SAS(舌や声帯の肥大による)→いびき
- 頭痛(腫瘍が硬膜を圧迫)
- 視野障害(腫瘍が視神経を圧迫)
- 声が低くなる
- 心肥大
<合併症>
<治療>
下垂体腫瘍の摘出手術が第一選択。開頭手術ではなく、内視鏡などを用いて鼻から摘出。
術後コントロール不良や、手術で充分に摘出できない→薬物療法(オクトレオチドなど)
かなり稀な疾患ですが、このような二次性高血圧もあるということでアクロメガリーをとりあげてみました。顔つきの変化なんて本人や家族が気づくだろうと思ってしまいますが、徐々に変化していくので、本人でも気づかないことが多く、久しぶりに会った友人に指摘されて判明といった場合もあるようです。