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pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

インスリンが効かない?

内分泌

 インスリンは患者さんによる自己注射が可能な注射剤です。注射量(単位)はダイヤル式で打ち間違いのないよう、メーカーさんの工夫により、使いやすくなっていますが、正しい単位を注射しても、手技に問題があり、血糖値が上がることがあります。

 
 インスリンを毎回同じ部位に注射すると、インスリンの脂肪増加作用により皮下脂肪が肥大することがあります。この肥厚し硬結した皮下腫瘤をインスリンボールと呼びます。この部位は血流が低下し、インスリンの吸収が障害されるので、血糖コンロトール不良の原因となります。この硬結部は注射しても痛みが少ないため、痛みを感じにくい部位に繰り返し注射してしまい、インスリンボールができてしまうケースがあります。
 
 患者さんより「毎回、注射部位を変えているよ」と言われても、お腹の左右特定部位に交互に注射しており、結局2つの部位に繰り返し注射している、というケースも考えられますので、踏み込んで確認する必要があります。
 やはり注射による痛みは患者さんにとっては苦痛です。少しでも痛みが少ない部位に注射したいという気持ちはとてもよくわかります。
 
 インスリンボールができて血糖コントロール不良となるのを防ぐためには注射部位を毎回ずらす必要がありますが、きちんと理由を患者さんに説明しないといけません。 
「同じ部位ばかりに注射すると、その部位が硬くなったり、コブができたりして、インスリンの吸収が悪くなり、血糖値が上がってしまう可能性があるので、毎回注射部位を少しずつずらして、繰り返し同じ部位に注射しないようにしましょう」
なぜ部位をずらすのかという理由をきちんと説明することが大事かと思います。