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pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

スボレキサント(ベルソムラ) 勉強会

精神神経科

 先日、スボレキサントの勉強会に出席しました。

 

①副作用の異常な夢・悪夢について。

 スボレキサントによりREM睡眠の時間がプラセボに比べて長くなるというデータがあり、夢を見やすくなる一因となっているようです。スボレキサント連用によりREM睡眠の増加は落ち着いてきてプラセボに近づくというデータより、ひどい悪夢でなければ服用継続して経過観察という選択肢もあるということでした。

 連用により改善する可能性もあるとはいえ、患者さんにとってはヘンな夢ばかり見るのは嫌でしょうから、服用中止になるケースも多いのではないでしょうか。

 

② 反跳性不眠について

 ベルソムラ⇒プラセボでの切り替えで反跳性不眠が約18%、プラセボプラセボでの不眠が約16%ということで頻度がほぼ同等。BZ系と比べ、反跳性不眠は起こしにくいと言えそうです。

 

③作用の持続時間は?

 スボレキサントの半減期は12.5時間。作用時間がどの程度持続するかが重要です。

 オレキシン受容体の占拠率65%を達するのに要する血中濃度を維持できる時間は、スボレキサント20mg投与で、服用後8時間程度なので入眠効果は8時間程度続くと考えられる(本邦適応外の10mg投与で服用後4時間程度)。

 この血中濃度の持続時間が必ずしも入眠効果と完全一致するとは言い切れない気もしますのであくまで参考程度ではないでしょうか。また、併用禁忌の薬は避けたとしても、CYP3A4に影響する併用注意の薬との飲み合わせで血中濃度が変動する可能性もあると思います。

 

 使い慣れたBZ系睡眠薬の使用量が圧倒的に多く、スボレキサントは新規作用機序ということもあり、安全性の観点から使用を躊躇するDrも多いのではないでしょうか。

 BZ系は転倒・依存性・認知機能低下などの懸念もあるため、スボレキサントへの期待は高いかと思いますが、まだまだ有効性・安全性について充分なデータが揃っているとは言えないので、引き続きメーカーさんにはデータを集めていただき、より適正な使用方法を検討してもらいたいと思います。