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pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

サワシリンとオーグメンチンの併用

処方)
サワシリンカプセル250mg 3CP 毎食後 7日分
オーグメンチン配合錠250RS 3錠 毎食後 7日分

実際応需した処方せんではないですが、お薬手帳で確認した他薬局で調剤された薬の内容です。
通称「オグサワ」。はじめて現場でお目にかかりました。

サワシリン→AMPC(アモキシシリン)
オーグメンチン→AMPC+CVA
CVAはβラクタマーゼ阻害薬のクラブラン酸です。
問題となるのが、オーグメンチンのAMPCとCVAの配合比で、AMPC:CVA=2:1ということで、海外の製剤と比べ、CVAの比率が多くなっています。AMPCを高用量で使いたい場合、オーグメンチン6錠でAMPC1500mgにすると、CVAが過量となり下痢の副作用が多くなる上にCVAを多く投与しても効果の増強は無いとされています。

そこで、CVA配合のオーグメンチンに、AMPC単剤のサワシリンをかぶせることで十分な効果を得つつ、副作用を減らすことができます。

ちなみに小児用のクラバモックスはAMPC:CVA=14:1で配合の比率は改善されています。

 

オグサワは市中肺炎ガイドラインの推奨薬の1つとして紹介されています。実際、肺炎球菌やインフルエンザ菌にはペニシリン系は有効であることが多く、これらの菌が原因の市中肺炎にはオグサワで対応できることが多いようです。ただしマイコプラズマ肺炎には効きません。BLNARにも効果は期待できないのではないかと思うのですが(βラクタマーゼ阻害薬を入れる意義がない)、BLNARにはアモキシシリン単剤で対処できることもあるようです。 

また、アモキシシリンで効果不十分な中耳炎、副鼻腔炎などに用いられたり、βラクタマーゼ阻害薬が入ることで、嫌気性菌にも効果を示し、誤嚥性肺炎や動物咬傷にも用いられることがあるようです(口腔内常在菌はβラクタマーゼを産生するものが多いようです)。

オグサワは一定の評価を得ているように思いますが、実際処方されるケースはそう多くなく(査定の関係もあるかもしれません)、第3世代のセフェムや、ニューキノロンマクロライドが用いられることが多いようです。

広域スペクトルの抗生剤の耐性菌の増加を考慮して、古くて安価ですがペニシリン系のオーグメンチンのような有用な薬を状況に応じて活用すると良いのではないかと思います。