pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

炭酸リチウムとNSAIDs/RAS阻害薬

炭酸リチウムの相互作用についてです。あまり馴染みのない薬(いや、というかほとんど知らない)でして…、筆者より詳しい先生が世の中に溢れかえっていることと思いますが、まあ適当に文献漁ってみましょう。まずは添付文書を見ると、併用注意はありますが、…

辞める辞める詐欺!!

えー、あー、なんていうか、えっとですね。 単刀直入に言うと、再開します(笑)もう何ヶ月も更新してないような気がしていますが、ほんの1ヶ月くらいだったんですね。なんか嫌だなぁ。 活動休止!て大々的にメディアに発表したくせに、翌年にはもうニューシ…

終わりに

えーと、唐突ですが、H28.6をもって更新停止します。 無期限の活動停止です(バンド風に言ってみた)急にブログの音沙汰がなくなったら、おい、あいつどうしたんだ?ってなりそうなので(あっ、その心配はない/誰も興味ないとの声も聞こえたような気もするぞ…

モーツァルトvsビートルズ!

Mozart, but not the Beatles, reduces systolic blood pressure in patients with myocardial infarction. - PubMed - NCBI Acta Cardiol. 2015 Dec;70(6):703-6. 背景:音楽はさまざまな臨床的状況でSBP/DBP(収縮期/拡張期血圧)、HR(心拍数)を減少させ…

胸痛→ACS?

些細な心配事(気になる症状など)を薬剤師に相談なさる患者さんもいらっしゃいますよね。診断はできないですし、疾患の除外もできないのですが、危険な疾患じゃないかどうかはある程度は疑えるようになりたいですし、医師に報告する際にはポイントとなる病…

水いぼ(伝染性軟属腫)にヨクイニンエキスは有効?(DB-RCT)

水いぼに使用されるヨクイニンエキスですが、その有効性はどの程度のものでしょうか? ヨクイニンは英語でCoix Seedというそうなのですが、Pubmedではピンとくるものがありませんでした。 かなり古い(昭和62年)のですが日本国内のRCTがありました。伝染性…

低血糖と血圧上昇(&低血糖症状のおさらい)

Hypoglycemia-induced blood pressure elevation in patients with diabetes. - PubMed - NCBI Arch Intern Med. 2010 May 10;170(9):829-31 背景:低血糖に続発する交感神経副腎系の活性化を介した血圧上昇はヒトの実験で実証されているが、低血糖イベント…

野外フェスで耳栓…?

Effectiveness of Earplugs in Preventing Recreational Noise-Induced Hearing Loss: A Randomized Clinical Trial. - PubMed - NCBI JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2016 Jun 1;142(6):551-8 目的:music festivalsで音楽を聴いたあとの一時的な聴力損…

高齢者におけるプレガバリンの有効性と安全性

Evaluation of the safety and efficacy of pregabalin in older patients with neuropathic pain: results from a pooled analysis of 11 clinical studies. - PubMed - NCBI BMC Fam Pract. 2010 Nov 5;11:85研究デザイン:11のDB-RCTの統合解析(pooled ana…

術後患者のオピオイドによる便秘に対するルビプロストンvsセンナ

Lubiprostone vs Senna in postoperative orthopedic surgery patients with opioid-induced constipation: a double-blind, active-comparator trial. - PubMed - NCBI World J Gastroenterol. 2014 Nov 21;20(43):16323-33.研究デザイン:DB-RCT(ダブルダ…

LVFXとNSAIDsの併用によるけいれんリスク

キノロンとNSAIDsの併用はけいれんリスクが懸念されています。 キノロンの中枢神経におけるGABA受容体阻害作用が増強されるらしいのですが、実際どの程度リスクが高まるのでしょうか。キノロンの代表ということでLVFX(levofloxacin)をとりあげます。 先発メ…

ダイエットで乾癬が改善する?

乾癬とダイエットのメタアナリシス(アブストのみ) Effect of lifestyle weight loss intervention on disease severity in patients with psoriasis: a systematic review and meta-analysis. - PubMed - NCBI Int J Obes (Lond). 2015 Aug;39(8):1197-202…

BIP trial(ベザフィブラートvsプラセボ)の20年後フォロー

ベザフィブラートの20年フォローの観察研究が出たようです。Bezafibrate for the treatment of dyslipidemia in patients with coronary artery disease: 20-year mortality follow-up of the BIP randomized control t... - PubMed - NCBI Cardiovasc Diabe…

スタチンと糖尿病リスク(ネットワークメタ2016.6)

スタチンと糖尿病の関連は以前より指摘されていました。 (Increased risk of diabetes with statin treatment is associated with impaired insulin sensitivity and insulin secretion: a 6 year follow-up study of... - PubMed - NCBI Diabetologia. 201…

Opioid rotation versus combination

Opioid rotation versus combination for cancer patients with chronic uncontrolled pain: a randomized study. - PubMed - NCBI BMC Palliat Care. 2015 Sep 16;14:41 背景:オピオイドは中等度~重度のがん性疼痛の主な治療法。がん性疼痛は非オピオイド…

夜尿症にデスモプレシンと抗コリン薬の併用

ちょっと気になる論文を見つけたので取り上げます(アブストのみですが)。内容はブログタイトルのとおりなんですが、どうなんでしょう。実際、このような処方は見たことがないのですが、いざ処方がきたら…。 そもそも抗コリン薬って何のことでしょうね。イ…

月経前症候群に対するSSRI / 有害事象のNNH

SSRIのコモンな副作用のNNHってどのくらいだろう?と思って調べてみたところ、PMSに対するSSRIのメタアナリシスがありました。Selective serotonin reuptake inhibitors for premenstrual syndrome. - PubMed - NCBI Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jun 7…

スボレキサントの有害事象(NNH)

薬剤師たるもの服作用のスペシャリストになりなさい!と行政から指導されたことがありますが、添付文書やインタビューフォームを読み込んでもスペシャリストにはなれないですよね。 高頻度の副作用はNNHを把握しておきたいと思う今日この頃。過去にこんな記…

よく噛んで食べましょう!

巷にはいろんな情報が溢れていますね。みなさん、どう処理しているのでしょう。海外はどうか知りませんが、少なくとも国内ではひたすら情報を詰め込むことをメインとする教育になっているように思います。「与えられた情報が正しいかどうか吟味する」という…

SJS/TENの初発症状のオッズ

SJS(Stevens-Johnson syndrome皮膚粘膜眼症候群)やTEN(Toxic epidermal necrolysis中毒性表皮壊死症)は重症薬疹として有名ですが、初期症状から見極めること(可能であれば)が重要だと思います。過去の関連記事はこちら LTG vs CBZ 皮疹の頻度は? / 交差性…

慢性咳嗽にガバペンチン/プレガバリンが効く?

咳ってやっぱりコモンな症状ですよね。長引く咳について - pharmacist's record慢性咳嗽について過去にとりあげたことがありましたが、咳って一般的にどのくらい続くのでしょう?↓こちら、タイトルがズバリ「How long does a cough last?」です! How long d…

LTG vs CBZ 皮疹の頻度は? / 交差性は?

ラモトリギンといえば皮疹の副作用が有名です。 ラモトリギン(ラミクタール)による薬疹 - pharmacist's record 用法遵守も重要で、使用する際には医師・薬剤師ともに注意を払っていることと思いますが、抗てんかん薬の中でとりわけ発生率が高いの?という…

スタチンと横紋筋融解症

前回に引き続き、スタチンについてもう少し調べてみます。スタチンといえば横紋筋融解症rhabdomyolysisが有名ですね。重篤副作用マニュアル(重篤副作用疾患別対応マニュアル|医薬品医療機器情報提供ホームページ)によると、 骨格筋の細胞が融解、壊死するこ…

終末期ではスタチン切ってもいい?

最近、スタチンがdeprescribingの対象として議論の的となっているようです。他にもdeprescribingの対象となる薬がたくさんありそうな気もしますが、鉄壁のエビデンスがある(と信じられてきた?)スタチンに焦点をあてるのは凄いなぁと思いました。 雑魚はい…

LSSに対するプレガバリンとリマプロストの併用効果は?/NSAIDsとの併用は?

Comparative study of the efficacy of limaprost and pregabalin as single agents and in combination for the treatment of lumbar spinal stenosis: a pr... - PubMed - NCBI Spine J. 2016 Mar 29. pii: S1529-9430(16)00439-3 研究デザイン:prospecti…

骨粗しょう症治療薬の有効性の比較(2012ネットワークメタ)

2012年ということでちょっと古いレビューですが参考までに。Clinical review. Comparative effectiveness of drug treatments to prevent fragility fractures: a systematic review and network meta-analysis. - PubMed - NCBI J Clin Endocrinol Metab. 2…

SERM;ラロキシフェンによるほてり

骨粗しょう症の治療で用いられるラロキシフェンは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM;Selective estrogen receptor modulators)で、乳房や子宮では抗エストロゲン作用を、骨に対してはエストロゲン様作用を発揮する[骨粗しょう症の予防と治療ガイ…

ニフェジピンによる歯肉増殖

Prevalence and risk of gingival enlargement in patients treated with nifedipine. - PubMed - NCBI J Periodontol. 2001 May;72(5):605-11.背景:歯肉肥大(Gingival enlargement)はニフェジピンの既知の副作用である。この研究は有病率とリスクファクタ…

H.pylori感染と食道がんリスク

マジで!?という話を耳にしたので文献検索 この記事のタイトルから想像されるであろう結果とはまったく逆の結果が待っています。Helicobacter pylori infection and esophageal cancer risk: an updated meta-analysis. - PubMed - NCBI World J Gastroente…

アロマターゼ阻害薬による関節痛に運動療法が有効?

アロマターゼ阻害薬の副作用として関節痛があげられます。頻度は研究によってまちまちですが、 Aromatase inhibitor-induced arthralgia: a review. - PubMed - NCBI Ann Oncol. 2013 Jun;24(6):1443-9. によると、5~35%くらい(fig1) リスクファクター:肥…

エペリゾンは腰痛に効く?

Evaluation of eperisone hydrochloride in the treatment of acute musculoskeletal spasm associated with low back pain: a randomized, double-blind, pl... - PubMed - NCBI J Postgrad Med. 2011 Oct-Dec;57(4):278-85背景:エペリゾンは中枢性筋弛緩…

DPP4i(with SU剤)の低血糖リスク(BMJ 2016)

Addition of dipeptidyl peptidase-4 inhibitors to sulphonylureas and risk of hypoglycaemia: systematic review and meta-analysis | The BMJ BMJ 2016;353:i2231 イントロダクション:低血糖は入院リスク、心血管疾患、死亡率の増加といったリスクがあ…

SU剤と死亡リスク(PLoS Med 2016)

The Association between Sulfonylurea Use and All-Cause and Cardiovascular Mortality: A Meta-Analysis with Trial Sequential Analysis of Randomized C... - PubMed - NCBI PLoS Med. 2016 Apr 12;13(4):e1001992. 背景:SU剤はT2DMの安価かつ効果的な…

糖尿病薬と体重(Ann Intern Med 2011)

Effect of antihyperglycemic agents added to metformin and a sulfonylurea on glycemic control and weight gain in type 2 diabetes: a network meta-ana... - PubMed - NCBI Ann Intern Med. 2011 May 17;154(10):672-9.研究デザイン:ネットワークメタ…

AMPC vs AMPC/CVA(親知らず抜歯)

Efficacy of amoxicillin and amoxicillin/clavulanic acid in the prevention of infection and dry socket after third molar extraction. A systematic re... - PubMed - NCBI Med Oral Patol Oral Cir Bucal. 2016 Mar 6:0. 背景:第三大臼歯(third mol…

メマンチンと不穏/攻撃性

メマンチンは中等度及び高度アルツハイマー型認知症に適応を持つ薬ですが、添付文書の副作用の項目に、 精神症状(激越:0.2%、攻撃性:0.1%、妄想:0.1%、幻覚、錯乱、せん妄:頻度不明)があらわれることがあるので、異常が認められたら 投与を中止するな…

「緑内障ではない」→抗コリン薬の投与は安全?

緑内障の有病率(多治見スタディより)The prevalence of primary open-angle glaucoma in Japanese: the Tajimi Study. - PubMed - NCBI Ophthalmology. 2004 Sep;111(9):1641-8.The Tajimi Study report 2: prevalence of primary angle closure and secon…

アジルサルタンvsアムロジピン!

Age-related difference in the sleep pressure-lowering effect between an angiotensin II receptor blocker and a calcium channel blocker in Asian hype... - PubMed - NCBI Hypertension. 2015 Apr;65(4):729-35 (プロトコル Rationale, study design,…

ミルタザピンの有害事象の特徴

Safety reporting and adverse-event profile of mirtazapine described in randomized controlled trials in comparison with other classes of antidepress... - PubMed - NCBI CNS Drugs. 2010 Jan;24(1):35-53 背景:ミルタザピンの抗うつ作用は独特の機…

ヒアルロン酸点眼液0.1%vs0.3%

ヒアルロン酸点眼液は規格が2つありますが、途中から0.3%製剤が発売されたように記憶しています。 ふと、思ったのです…。臨床効果はどう違うのかと。とりあえず、見てみますか、先発品の添付文書を。臨床成績 二重盲検試験を含む臨床試験で、眼球乾燥症候群…

糖尿病と死亡リスク/ 大規模RCTのフォローアップ

いままで糖尿病関連の文献をいくつか読んできましたが、まだまだ知らないことだらけ。 基本に立ち返って、糖尿病の予後についての文献を。日本のコホート研究JPHC studyより。 Diagnosed diabetes and premature death among middle-aged Japanese: results …

RAS阻害薬でDKDの進行を遅らせる?/ 他の降圧剤との優位性は?

Early renin-angiotensin system intervention is more beneficial than late intervention in delaying end-stage renal disease in patients with type 2 d... - PubMed - NCBI Diabetes Obes Metab. 2016 Jan;18(1):64-71. 目的:糖尿病性腎疾患(DKD;diab…

胃腸炎でダウンした!

えー、私事ですが先日胃腸炎でダウンしました。せっかくですので、流行りのセルフメディケーション的な思考訓練をしてみました。 今回の記事はいつも以上に素人同然の記事なので、ご勘弁ください。 まずは臨床経過を(ちょっと忘れてしまいましたが)夜中の3…

LVFX点眼液は何歳から使える?

「LVFX点眼液は何歳(何ヶ月)から使える?」 同僚からCQ頂きました。添付文書の嫌いなワード、ベスト3に「○○への安全性未確立」が挙がる自分としては、「小児等への投与」についてはどうも苦手です。たとえば、 エピナスチン製剤のアレジオン®は、ドライシ…

孤独というリスクファクター

ぼんやりとツイッターのTLを眺めていたら、BMJのアカウントがRTした論文が目に飛び込んできてしまいました。Loneliness and social isolation as risk factors for coronary heart disease and stroke: systematic review and meta-analysis of longitudinal…

めまいが起きたら安静にしていたほうが良い?

以前、ベタヒスチンが処方されている患者さんと話していて、 「サーシェンスと同じだ、と先生から言われたよ」と。ここで平静を装いながらも大パニック“サーシェンス”ってなんだ!!?患者さんの口から効いたこともない医学用語が出てくると大混乱&勉強不足…

検査をせずに肺炎を予測できる?② / 高齢者の肺炎の臨床像は?

検査をせずに肺炎を予測できる? - pharmacist's record 以前、Diehrの肺炎予測ツール、バイタルサインによる予測などをご紹介しましたが、↓こちらも簡便でいい感じです。バイタルサインによる予測の変形版といった感じです。A simple screening tool for id…

慢性副鼻腔炎の有効な治療法は?(2015メタアナリシス/JAMA)

副鼻腔炎は、風邪や鼻茸(nasal polyps)、アレルギー性鼻炎などが原因として起こるとされています。急性細菌性副鼻腔炎(ABRS;acute bacterial rhinosinusitis)の臨床像についてはこちら 細菌性副鼻腔炎とウイルス性上気道炎の見分け方は? - pharmacist's rec…

細菌性副鼻腔炎とウイルス性上気道炎の見分け方は?

Acute bacterial rhinosinusitis in adults: part I. Evaluation. - PubMed - NCBI Am Fam Physician. 2004 Nov 1;70(9):1685-92. 急性副鼻腔炎はコモンな疾患の1つであり、多くの場合ウイルスが原因だが、細菌によって引き起こされることもある。 ウイルス…

感染対策としてふさわしい手指乾燥方法は?/ウイルスに対するアルコール消毒の有効性は?

Microbiological comparison of hand-drying methods: the potential for contamination of the environment, user, and bystander. - PubMed - NCBI J Hosp Infect. 2014 Dec;88(4):199-206 背景:手指乾燥の効率は病原体の拡散の防止に重要だが、環境や使…