pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。また、無断転載はご遠慮ください。

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アセトアミノフェン坐薬の薬物動態について ~各製剤の添付文書の比較~

アセトアミノフェン坐薬の血中濃度の推移アセトアミノフェン坐剤小児用「日新」 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/530113_1141700J1126_1_03 アセトアミノフェン坐剤小児用「JG」 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDe…

【OTC】ステロイド点鼻薬の「使用制限」の違い

市販薬のステロイド点鼻薬・ベタメタゾンプロピオン酸エステル(コンタック鼻炎スプレー®、ナゾールαAR®、パブロン鼻炎アタック®など) 【してはいけないこと】の【使用しないでください】の項目 高血圧、糖尿病、緑内障の記載あり・フルニソリド(ロートア…

アセトアミノフェン 経口vs坐薬

一般的に経口薬よりも坐薬のほうが効果が早いというイメージがありますが、小児によく用いられるアセトアミノフェン製剤は坐薬よりも経口薬のほうが血中濃度の立ち上がりが早いことで有名です。カロナール® アンヒバ坐剤® (各種インタビューフォーム引用)…

口の中が苦いんだけど薬の影響?

「薬」というと、どのようなイメージが浮かぶでしょうか。「病気を治す」「お値段が高い」「副作用が怖い」 などなどさまざまな印象があると思いますが、「薬は苦い」という印象も強いのではないでしょうか。「良薬は口に苦し」という言葉もあるくらいですか…

カルシウム拮抗薬(CCB)と末梢浮腫

カルシウム拮抗薬(CCB)といえは国内で1、2を争うシェアを誇る降圧剤であり、高齢者でも使いやすく、高血圧の第一選択薬として用いられることが多いです。CCBでたまに問題となるのが末梢の浮腫です。Managing Calcium Channel Blocker-Related Peripheral Ede…

酸化マグネシウム(MgO)と血清マグネシウム値

酸化マグネシウム製剤の適正使用の注意喚起がありました。 患者さん向けの注意喚起より抜粋 初期症状 吐き気、嘔吐、立ちくらみ、めまい、脈が遅くなる、皮膚が赤くなる、力が入りにくくなる、体がだるい、眠気でぼんやりする、うとうとする 長期服用、腎臓…

薬のパッケージ(表記)が効果に影響する?

Impact of Brand or Generic Labeling on Medication Effectiveness and Side Effects. - PubMed - NCBI Health Psychol. 2015 Oct 12. 知られている製薬会社や製品名の薬は、ジェネリックと比べて、信頼性・有効性の追加保障を付与するとされている。 薬の…

“併用注意”はスルーしていい??

お薬手帳が浸透してきて、服用歴がチェックできるようになってきました。 急に風邪で病院に飛び込んでも、お薬手帳があれば飲み合わせのチェックが可能となります。では、何を元にチェックをしているのかというと原則、医薬品の添付文書になると思います。 “…

セチリジンvsロラタジン/第二世代抗ヒスタミン薬の特徴

秋の花粉で鼻炎症状をきたして来局する患者さんが見受けられるようになってきました。 セチリジンvsロラタジン(ともにプソイドエフェドリンPSEと併用)の文献があったのでご紹介。A randomized controlled trial of cetirizine plus pseudoephedrine versus…

眠気が少ない花粉症薬は?(抗ヒスタミン薬と鎮静)

添付文書上、眠気を催す薬は注意喚起が記載されます。花粉症等で広く用いられている抗ヒスタミン薬は眠気やインペアードパフォーマンスが問題となることがあります。第2世代の抗ヒスタミン薬の運転に関する注意 添付文書に記載なし ロラタジン、フェキソフェ…

かぶれにくい経皮吸収型硝酸薬は? かぶれを防ぐ方法は?

狭心症の治療薬として、経皮吸収製剤の硝酸薬が広く用いられています。経口投与と比べて、頭痛などの副作用の軽減が期待出来ますが、貼付部位の皮膚症状(かぶれ)が問題となることがあります。経皮吸収型製剤による接触性皮膚炎 症状:貼付した部位の赤みと…

カルシウムブロッカー(CCB)とグレープフルーツジュース

グレープフルーツジュースGFJは小腸のCYP3A4を不可逆的に阻害することで、さまざまな薬との相互作用を引き起こすと考えられています。 厳密にはCYP阻害作用があるのは、グレープフルーツに含有されているフラノクマリン類です。 フラノクマリン類は消化管で…

フッ化ナトリウムは虫歯に効く?

要指導医薬品で、虫歯予防の洗浄液が発売となったようです 虫歯になるのは嫌なので、洗口するだけでリスクが減るなら使ってみようかな、なんて思ったりして。 ちょっと調べてみたいと思います。フッ化ナトリウム(エフコート)適応:虫歯予防 適応対象外:4…

アムロジピンとベニジピンの違い

同系統の薬で処方変更があった場合、患者さんの情報を元にどのような処方意図かを考えます。今回は、CCBのベニジピンとアムロジピンの違いについて調べてみたいと思います。患者さんが気にするのは「どちらのほうが強いか?」 この質問を受けたことのない薬…

外用NSAIDsの効果は?

「この薬とこの薬、どっちのほうが強いの?」 よくある質問ですが、意外とはっきりしてないことが多いです。外用NSAIDsのコクランレビューがこちら。 Topical NSAIDs for acute musculoskeletal pain in adults. - PubMed - NCBI Cochrane Database Syst Rev…

ワーファリンからNOACへの切り替え

ワーファリンからNOACへの切り替えの際には、ワーファリンを中止し、PT-INRが治療目標値の下限を下回ってからNOACを開始するのが一般的かと思います。ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)からNOACへの切り替えのPT-INRの目安(各種NOACのDI情報参照) タビガト…

ゴーストタブレットとは?

まれに錠剤の殻などの残渣が便の中に出てくることがあります。患者さんは、薬が溶けて吸収されずに、錠剤の形をしたまま、便と一緒に出てきてしまったと勘違いしてしまうかと思いますが、よほどの激しい下痢などない限り、薬の有効成分は吸収されており、不…