pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

循環器

エナジードリンクと血圧/心拍数

Impact of Acute Energy Drink Consumption on Blood Pressure Parameters: A Meta-analysis. - PubMed - NCBI Ann Pharmacother. 2016 Oct;50(10):808-15. 目的:エナジードリンクの消費と、血圧・心拍数との関連を評価。 研究デザイン:Prospective clinic…

リアルワールドでのNVAFにおける各種NOAC出血リスク

アメリカのデータを使用したコホート研究です。Real-world comparison of major bleeding risk among non-valvular atrial fibrillation patients initiated on apixaban, dabigatran, rivaroxaban, or war... - PubMed - NCBI Thromb Haemost. 2016 Aug 19;…

モーツァルトvsビートルズ!

Mozart, but not the Beatles, reduces systolic blood pressure in patients with myocardial infarction. - PubMed - NCBI Acta Cardiol. 2015 Dec;70(6):703-6. 背景:音楽はさまざまな臨床的状況でSBP/DBP(収縮期/拡張期血圧)、HR(心拍数)を減少させ…

胸痛→ACS?

些細な心配事(気になる症状など)を薬剤師に相談なさる患者さんもいらっしゃいますよね。診断はできないですし、疾患の除外もできないのですが、危険な疾患じゃないかどうかはある程度は疑えるようになりたいですし、医師に報告する際にはポイントとなる病…

BIP trial(ベザフィブラートvsプラセボ)の20年後フォロー

ベザフィブラートの20年フォローの観察研究が出たようです。Bezafibrate for the treatment of dyslipidemia in patients with coronary artery disease: 20-year mortality follow-up of the BIP randomized control t... - PubMed - NCBI Cardiovasc Diabe…

スタチンと糖尿病リスク(ネットワークメタ2016.6)

スタチンと糖尿病の関連は以前より指摘されていました。 (Increased risk of diabetes with statin treatment is associated with impaired insulin sensitivity and insulin secretion: a 6 year follow-up study of... - PubMed - NCBI Diabetologia. 201…

スタチンと横紋筋融解症

前回に引き続き、スタチンについてもう少し調べてみます。スタチンといえば横紋筋融解症rhabdomyolysisが有名ですね。重篤副作用マニュアル(重篤副作用疾患別対応マニュアル|医薬品医療機器情報提供ホームページ)によると、 骨格筋の細胞が融解、壊死するこ…

終末期ではスタチン切ってもいい?

最近、スタチンがdeprescribingの対象として議論の的となっているようです。他にもdeprescribingの対象となる薬がたくさんありそうな気もしますが、鉄壁のエビデンスがある(と信じられてきた?)スタチンに焦点をあてるのは凄いなぁと思いました。 雑魚はい…

ニフェジピンによる歯肉増殖

Prevalence and risk of gingival enlargement in patients treated with nifedipine. - PubMed - NCBI J Periodontol. 2001 May;72(5):605-11.背景:歯肉肥大(Gingival enlargement)はニフェジピンの既知の副作用である。この研究は有病率とリスクファクタ…

SU剤と死亡リスク(PLoS Med 2016)

The Association between Sulfonylurea Use and All-Cause and Cardiovascular Mortality: A Meta-Analysis with Trial Sequential Analysis of Randomized C... - PubMed - NCBI PLoS Med. 2016 Apr 12;13(4):e1001992. 背景:SU剤はT2DMの安価かつ効果的な…

アジルサルタンvsアムロジピン!

Age-related difference in the sleep pressure-lowering effect between an angiotensin II receptor blocker and a calcium channel blocker in Asian hype... - PubMed - NCBI Hypertension. 2015 Apr;65(4):729-35 (プロトコル Rationale, study design,…

RAS阻害薬でDKDの進行を遅らせる?/ 他の降圧剤との優位性は?

Early renin-angiotensin system intervention is more beneficial than late intervention in delaying end-stage renal disease in patients with type 2 d... - PubMed - NCBI Diabetes Obes Metab. 2016 Jan;18(1):64-71. 目的:糖尿病性腎疾患(DKD;diab…

孤独というリスクファクター

ぼんやりとツイッターのTLを眺めていたら、BMJのアカウントがRTした論文が目に飛び込んできてしまいました。Loneliness and social isolation as risk factors for coronary heart disease and stroke: systematic review and meta-analysis of longitudinal…

SGLT2阻害薬と心血管イベント

SGLT2阻害薬は発売当初は副作用がニュースになったりしてイメージがあまりよくなかったように思いますが、昨年のEMPA-REG(エンパグリフロジン(ジャディアンス)の大規模臨床試験EMPA-REG - pharmacist's record)による影響か、欧米では高評価のようですね…

みなさん、定時で帰りましょう!

Dose-Response Relation Between Work Hours and Cardiovascular Disease Risk: Findings From the Panel Study of Income Dynamics. - PubMed - NCBI J Occup Environ Med. 2016 Mar;58(3):221-6 目的:米国の労働者における労働時間と心血管疾患(CVD)の関…

降圧剤のアドヒアランス良好vs不良

Medication Adherence and the Risk of Cardiovascular Mortality and Hospitalization Among Patients With Newly Prescribed Antihypertensive Medications. - PubMed - NCBI Hypertension. 2016 Mar;67(3):506-12. 心血管疾患防止のための降圧剤のアドヒ…

無症候性の徐脈の心血管疾患/死亡率との関連は?

Association of Asymptomatic Bradycardia With Incident Cardiovascular Disease and Mortality: The Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis (MESA). - PubMed - NCBI JAMA Intern Med. 2016 Feb 1;176(2):219-27 背景:徐脈は心血管リスクが低い傾向にあ…

禁煙! きっぱり辞めるvs徐々に辞める

Gradual Versus Abrupt Smoking Cessation: A Randomized, Controlled Noninferiority TrialGradual Versus Abrupt Smoking Cessation | Annals of Internal Medicine Ann Intern Med. Published online 15 March 2016 doi:10.7326/M14-2805 背景:多くの禁…

オルメサルタンによるスプルー様腸疾患

いまさらですが、テレビ「ドクターG」でも紹介されたことですし、この文献を。 Severe spruelike enteropathy associated with olmesartan. - PubMed - NCBI Mayo Clin Proc. 2012 Aug;87(8):732-8. オルメサルタンによる原因不明の腸疾患のケースレポート 2…

受動喫煙の影響(脳卒中、虚血性心疾患、COPD)

Meta-analysis of the association between second-hand smoke exposure and ischaemic heart diseases, COPD and stroke. - PubMed - NCBI BMC Public Health. 2015 Dec 1;15:1202 (全文フリー) 受動喫煙(SHS;Second-hand smoke)の影響を検討 研究デザイ…

バレニクリンによる吐き気は女性に多い?

国内の文献より 禁煙補助薬バレニクリンによる嘔気出現に関連する患者背景の検討 日本禁煙学会雑誌 Vol. 10 (2015) No. 1 p. 7-12 2008~2014年のデータを解析したレトロスペクティブな研究背景:薬による禁煙治療はニコチン置換療法とニコチン作動性受容体…

NEJM Clinical Decisions(高齢AF患者の最適な血圧は??)

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMclde1513565 NEJM Clinical Decisions November 9, 2015Blood-Pressure ControlNEJMに掲載されている血圧コントロールをどうするかという課題です。 SPRINTも発表されたことですし、興味が沸いて読んでみました。 …

禁煙治療 バレニクリンvsニコチンパッチvs併用療法(パッチ+トローチ)

JAMA Network | JAMA | Effects of Nicotine Patch vs Varenicline vs Combination Nicotine Replacement Therapy on Smoking Cessation at 26 Weeks: A Randomized Clinical Trial JAMA. 2016;315(4):371-379 もっとも効果的に禁煙できる禁煙補助薬を同定す…

DPP4iは動脈硬化を予防する?

順天堂大学の研究結果が発表されました。SPEAD-A試験 Alogliptin, a Dipeptidyl Peptidase 4 Inhibitor, Prevents the Progression of Carotid Atherosclerosis in Patients With Type 2 Diabetes: The Study of ... - PubMed - NCBI Diabetes Care. 2015 De…

カルシウム拮抗薬(CCB)と末梢浮腫

カルシウム拮抗薬(CCB)といえは国内で1、2を争うシェアを誇る降圧剤であり、高齢者でも使いやすく、高血圧の第一選択薬として用いられることが多いです。CCBでたまに問題となるのが末梢の浮腫です。Managing Calcium Channel Blocker-Related Peripheral Ede…

SPRINT trial(SBP<120 vs SBP<140)

SPRINT trialの結果が発表されました A Randomized Trial of Intensive versus Standard Blood-Pressure Control. - PubMed - NCBI N Engl J Med. 2015 Nov 9<背景> 50歳以上において孤立性収縮期高血圧はもっとも一般的な高血圧であり、収縮期血圧(SBP)は…

かぶれにくい経皮吸収型硝酸薬は? かぶれを防ぐ方法は?

狭心症の治療薬として、経皮吸収製剤の硝酸薬が広く用いられています。経口投与と比べて、頭痛などの副作用の軽減が期待出来ますが、貼付部位の皮膚症状(かぶれ)が問題となることがあります。経皮吸収型製剤による接触性皮膚炎 症状:貼付した部位の赤みと…

カルシウムブロッカー(CCB)とグレープフルーツジュース

グレープフルーツジュースGFJは小腸のCYP3A4を不可逆的に阻害することで、さまざまな薬との相互作用を引き起こすと考えられています。 厳密にはCYP阻害作用があるのは、グレープフルーツに含有されているフラノクマリン類です。 フラノクマリン類は消化管で…

意識障害+血圧上昇→脳卒中の可能性あり?

意識障害の鑑別として、AIUEOTIPSが有名ですが、今回は脳血管障害の鑑別について取り上げてみたいと思います。Acute cognitive impairment in elderly ED patients: etiologies and outcomes. - PubMed - NCBI この後ろ向きコホートによると、60歳以上の高齢…

薬物治療で善玉コレステロールを増やすと寿命は延びる?

善玉コレステロールと呼ばれるHDLは血管壁に溜まったコレステロールを回収し肝臓へ運ぶことで動脈硬化を防ぐと言われています。 逆に悪玉コレステロールと呼ばれるLDLは肝臓のコレステロールを末梢へと運び、動脈硬化を促進します。脂質異常症の診断は、 HDL…

アムロジピンとベニジピンの違い

同系統の薬で処方変更があった場合、患者さんの情報を元にどのような処方意図かを考えます。今回は、CCBのベニジピンとアムロジピンの違いについて調べてみたいと思います。患者さんが気にするのは「どちらのほうが強いか?」 この質問を受けたことのない薬…

ワーファリンからNOACへの切り替え

ワーファリンからNOACへの切り替えの際には、ワーファリンを中止し、PT-INRが治療目標値の下限を下回ってからNOACを開始するのが一般的かと思います。ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)からNOACへの切り替えのPT-INRの目安(各種NOACのDI情報参照) タビガト…

β遮断薬!!!

近年よく用いられるβ遮断薬といえばカルベジロール、ビソプロロールあたりでしょうか。この両者の一騎打ちという感じがしますが、それぞれ特徴が違うので、患者さん個々の状態にあわせての使い分けが大事で、けしてどちらが優れているということはないと思い…

β遮断薬はCOPDを悪化させる?

β遮断薬とCOPD β遮断薬は気管支攣縮の懸念がありますが、COPDを悪化させるでしょうか?PubMedで文献を探してみました。Use of cardioselective β-blockers in patients with chronic obstructive pulmonary disease: a meta-analysis of randomized, placebo…

コントロール不良の高血圧の原因は? 先端巨大症(アクロメガリー)

高血圧の患者さんは国内で800万人程度と推測され(H20年)、そのほとんどが本態性高血圧ですが、まれに二次性の高血圧が隠れていることがあります(5~10%程度)。コントロール不良の高血圧の場合、二次性高血圧を念頭にいれる必要があります。高血圧以外の…

オメプラゾールはクロピドグレルの効果を減弱させる?

最近GE解禁で話題のクロピドグレルですが、気になっていたPPIオメプラゾールとの併用について調べました。 クロピドグレルは2つの経路で代謝されます。 ①エステラーゼにより非活性代謝物であるSR26334(主代謝物)を生成 ②主にCYP3A4、CYP1A2、CYP2C19、CYP…

肺塞栓症(PE) エドキサバンHokusai-VTE試験

去年より、エドキサバンが静脈血栓塞栓症(VTE)に適応追加となりましたが、VTEへの処方は増えているのでしょうか。メーカーさんによると、AFと比べるとVTEのほうが患者数は少ないとのことです。静脈血栓塞栓症(VTE)は肺塞栓症(PE)と深部静脈血栓症(DVT…

抗凝固薬投与によるAF患者の出血リスクの評価法 HAS-BLEDスコア

HAS-BLEDスコア 抗凝固薬投与による出血リスクの評価法として、欧州心臓病学会(ESC)より提唱されたスコアリング Hypertension 高血圧 1点 Abnormal renal/liver function 腎機能障害、肝機能障害 各1点 Stroke 脳卒中 1点 Bleeding history or predisposit…

腎機能低下例ではサイアザイド系利尿薬が効かない?

サイアザイド系利尿薬は、高血圧や浮腫の治療に使われますが、最近ではARBとの配合剤として用いられることが多いです。JSH2014ではサイアザイド系利尿薬(類似薬も含む)は常用量の半量程度の少量投与を推奨しており、少量であれば代謝への影響(尿酸値上昇…

ヒートショック(入浴時の血圧変化)

ヒートショック 急激な温度変化により、身体に及ぼす影響(血圧変動など)のこと。 東京都健康長寿医療センターによると、入浴中の死亡は推定年間1万人を超えるといわれています。 主に寒い時期の入浴時のヒートショックが問題となることが多いと思われます…

高血圧の治療方針・生活習慣改善

〈高血圧管理計画〉 初診時に血圧が高くても、血圧は日をあらためて複数回測定。家庭血圧を確認、危険因子のチェック等行い、全体像を評価。 低リスク群⇒3ヶ月の生活習慣指導で140/90以上なら降圧薬治療 中リスク群⇒1ヶ月の生活習慣指導で140/90以上なら降…

血圧の測定・評価について

日本の高血圧患者は約4,300万人にも上ると言われており、心疾患・脳卒中リスクとなる高血圧対策の推進が重要となっています。塩分摂り過ぎの傾向にある自分としてはとても他人事とは思えない疾患です。ガイドラインを参考に基礎的なことをまとめます。 〈血…