pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。また、無断転載はご遠慮ください。

中毒・過量投与・有害事象

デキストロメトルファンのオーバードーズ(過量投与)

最近、ちらほら話題になっているので、デキストロメトルファンについておさらい 備忘録なので、まとまりないです。あしからず。 StatPearls [Internet]. Dextromethorphan Toxicity - StatPearls - NCBI Bookshelf Dextromethorphan is also a commonly abus…

某討論会のレベル高すぎ! ~メトトレキサート(MTX )× 腎臓~

コロナのせいで「抜け殻ひきこもり野郎」と化しているのですが、オンライン勉強会が活発になってきたので、最近ちょこちょこと参加させていただいております。昨日も腎臓病薬物療法関連の討論会にひっそりと参加させていただきました。 今回2回目なんですけ…

塩素系空間除菌製剤の安全性について

表題の件について、ちょっと気になったので自分用メモとしてまとめ。 (有効性については過去にも取り上げたかと思うので、蒸し返しません。その後もいろいろ報告は上がっているので取り上げるまでもないかと) まずJ Stageで検索 →副作用報告は見つからず …

ラニチジン自主回収 NDMA(N‐ニトロソジメチルアミン)検出

H2ブロッカー(消化性潰瘍治療薬)のラニジチン製剤が自主回収となりました。以前、バルサルタン錠「AA」やアムバロ「ファイザー」でも発がん性物質NDMAの検出により自主回収となったのですが、取り扱っている薬局はそれほど多くなかったかもしれません。今…

チペピジン(アスベリン®)のオーバードーズ ~その原因は?~

チペピジンってDrによって投与量に幅がありますよね(なんかみた)添付文書的には、 小児には、チペピジンヒベンズ酸塩として1日1歳未満5.54~22.1mg(同5~20mg相当量)、1歳以上3歳未満11.1~27.7mg(同10~25mg相当量)、3歳以上6歳未満16.6~44.3mg(同1…

糖尿病治療薬GLP1(リラグルチド)の過量投与!

ph-minimal.hatenablog.com ↑こちらの続編です。GLP1作動薬のリラグルチドの過量投与のケースレポートがありました。 An accidental liraglutide overdose: case report. - PubMed - NCBI Libyan J Med. 2014 Jan 20;9:23055 こちらは自殺目的ではなくアクシ…

炭酸リチウムとNSAIDs/RAS阻害薬

炭酸リチウムの相互作用についてです。あまり馴染みのない薬(いや、というかほとんど知らない)でして…、筆者より詳しい先生が世の中に溢れかえっていることと思いますが、まあ適当に文献漁ってみましょう。まずは添付文書を見ると、併用注意はありますが、…

月経前症候群に対するSSRI / 有害事象のNNH

SSRIのコモンな副作用のNNHってどのくらいだろう?と思って調べてみたところ、PMSに対するSSRIのメタアナリシスがありました。Selective serotonin reuptake inhibitors for premenstrual syndrome. - PubMed - NCBI Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jun 7…

スボレキサントの有害事象(NNH)

薬剤師たるもの服作用のスペシャリストになりなさい!と行政から指導されたことがありますが、添付文書やインタビューフォームを読み込んでもスペシャリストにはなれないですよね。 高頻度の副作用はNNHを把握しておきたいと思う今日この頃。過去にこんな記…

SJS/TENの初発症状のオッズ

SJS(Stevens-Johnson syndrome皮膚粘膜眼症候群)やTEN(Toxic epidermal necrolysis中毒性表皮壊死症)は重症薬疹として有名ですが、初期症状から見極めること(可能であれば)が重要だと思います。過去の関連記事はこちら LTG vs CBZ 皮疹の頻度は? / 交差性…

LTG vs CBZ 皮疹の頻度は? / 交差性は?

ラモトリギンといえば皮疹の副作用が有名です。 ラモトリギン(ラミクタール)による薬疹 - pharmacist's record 用法遵守も重要で、使用する際には医師・薬剤師ともに注意を払っていることと思いますが、抗てんかん薬の中でとりわけ発生率が高いの?という…

スタチンと横紋筋融解症

前回に引き続き、スタチンについてもう少し調べてみます。スタチンといえば横紋筋融解症rhabdomyolysisが有名ですね。重篤副作用マニュアル(重篤副作用疾患別対応マニュアル|医薬品医療機器情報提供ホームページ)によると、 骨格筋の細胞が融解、壊死するこ…

酸化マグネシウム(MgO)と血清マグネシウム値

酸化マグネシウム製剤の適正使用の注意喚起がありました。 患者さん向けの注意喚起より抜粋 初期症状 吐き気、嘔吐、立ちくらみ、めまい、脈が遅くなる、皮膚が赤くなる、力が入りにくくなる、体がだるい、眠気でぼんやりする、うとうとする 長期服用、腎臓…

イソジンガーグルを誤飲したら?

ポビドンヨードを主成分とするうがい薬(イソジンガーグルなど)は広く使用されていますが、うっかり飲み込んでしまった場合、体に影響があるでしょうか。 イソジンガーグルのインタビューフォームIFによると、 “安全性が高いため、通常の誤飲程度では問題な…