pharmacist's record

日々の業務の向上のため、薬や病気について学んだことを記録します。細心の注意を払っていますが、古い情報が混ざっていたり、記載内容に誤りがある、論文の批判的吟味が不十分であるといった至らない点があるかもしれません。提供する情報に関しましては、一切の責任を負うことができませんので、予めご了承ください。

薬の飲み合わせ 第1回 「乳がん治療薬と抗うつ薬」 地域医療ジャーナル2018年1月号 vol.4

cmj.publishers.fm

地域医療ジャーナルです。

2018年1月号ということで自分はテーマを決めて連載を開始しました。
そのテーマとは、タイトルのとおり「飲み合わせ」です。
ひたすら飲み合わせについて書いていきたいと思います。

1月号は、タイトルを見ただけで、薬剤師なら「ああ、それな」と内容が予測されてしまいそうですが、意外と文献によって相反する結果になっていたりしてcontroversialな感じもしますね。まあ、よくあることですよね。ありとあらゆることが、controversial!!
まあ、そんことを言っても始まらないので、自分なりの考えを書かせて頂きました。

さて、2月号も書き始めていて、もうあと一歩のところまできていたのですが、なぜか原稿の最新のデータが消えており、正月休み早々、地獄の底に突き落とされた気分です。こんなことがあっていいのでしょうかッ!
否!断じて否!
まあ…、それはさておき
読者の皆様、よいお年を。。。

f:id:ph_minimal:20171230010532p:plain
↑ 原稿のデータが消えたという現実を直視できずに布団を被る筆者

音楽の話をしよう Massive Attack - Live with me (おまけ;コクランレビュー2017 "Music therapy for depression")

豊洲PITでのライブから1ヶ月くらい経ちますが、もうすでにMassive Attack、次いつくるの?って感じになってる今日この頃。

重厚なブリストルサウンドは唯一無二で、ディープな曲から美しい曲とさまざまなのですが、もっと大勢の人に聴いてもらいたい曲があります。

youtu.be

MVも素晴らしくて、、、

もうね、つべこべいわずに聴いてみて!て感じです。

あ、念のため、聴く前にハンカチのご用意を。


自分はつい先日、この曲を聴いて涙腺が決壊しました。


f:id:ph_minimal:20171230010532p:plain
↑ひさしぶりにLive with meを聴いて号泣する筆者


やっぱり音楽の力って凄いなと思いました。
英語で何を言ってるのか聴き取れていないのに、音と声だけで感情がここまで揺さぶられるって凄いことだと思います。
ライブじゃなくて、CD音源を聴いただけで決壊しましたからね。

音楽がここまで人の感情に影響しうるというのはとても興味深いです。体の中でどんな変化が起きているのでしょうか(涙を流すことについては、以前、地域医療ジャーナルでとりあげたことがありますが… 感動の涙を流すことでストレスが解消されますか? / 地域医療ジャーナル)。


ひさしぶりにPubってみますと、抑うつに対する音楽療法のコクランレビューがありますね。

Music therapy for depression. - PubMed - NCBI
Cochrane Database Syst Rev. 2017 Nov 16;11:CD004517.

さすがコクラン、あらゆるデータベースをサーチしてます
サーチした研究デザインは、randomised controlled trials (RCTs) and controlled clinical trials (CCTs)
E:music therapy
C:treatment as usual (TAU), psychological therapies, pharmacological therapies, other therapies, or different forms of music therapy
O:reducing depression

9つのスタディ(411名)がレビューされました
examining short-term effects ということなので、長期的な評価ではないですね。

we found moderate-quality evidence of large effects favouring music therapy and TAU over TAU alone for both clinician-rated depressive symptoms (SMD -0.98, 95% CI -1.69 to -0.27, 3 RCTs, 1 CCT, n = 219)and patient-reported depressive symptoms (SMD -0.85, 95% CI -1.37 to -0.34, 3 RCTs, 1 CCT, n = 142).
エビデンスの質は中等度
通常療法と音楽療法の併用は、通常療法と比べて、抑うつ症状(臨床医の評価)を改善(SMD -0.98)、患者の自己報告の抑うつ症状も改善(SMD -0.85)

SMDなのでイメージが沸きにくいものの、この数値なら効果は大きいということに…。音楽療法でそんなに改善するの!?て感じですね。

通常の治療法に上乗せというところがポイントなのかもしれません。
そして、短期的な評価であるということも。
また、注目すべきは、自己評価のみ改善しているだけでなく、臨床医の評価、つまり客観的な評価でも改善していることだと思います。


他にもさまざまなデータが記載されていますが、めんどくさくなってきたのでやめます。

アブストラクトだけで詳細不明ですが、気になるのは、
音楽療法の具体的な方法
・各試験の抑うつ症状の評価方法(スコアリングなど)

詳しく調べるなら、解析に含まれたRCTの原著を読むのが一番でしょうね。
自分は読みませんけど。

とりあえず音楽を聴きましょう。それしかない。

「冬到来→血圧上昇→降圧剤増量! これを防ぐ工夫はありますか? 」 地域医療ジャーナル2017年12月号 vol.3  「”Good Death”について」

cmj.publishers.fm

12月号発刊です。
自分は冬といえば血圧でしょ、ということで表題のとおりのタイトルで書きました。とくに真新しいことではないですが参考までに。

今月号より看護師さんの連載がスタートしました。
今回は「看取り」がテーマとなっており大変興味深い内容でしたので、ぜひご覧いただければと思います。

Good Deathの文献(Ann Oncol. 2007 Jun;18(6):1090-7. PMID: 17355953 )
こんな研究報告があるんですね。これは重要なテーマだと思います。

寝ぼけた目で、流し見たところ、table2のStandardized regression coefficient が個人的に「はじめまして」なワードだったのですが、和訳すると"標準化回帰係数"ですか…。
アウトカムに影響する度合い、みたいなニュアンスでしょうか。寄与率みたいな。
この係数は0~1の間で表され、高いほうが寄与が大きいということのようです。

個人的にはまったく興味がないですが、Having faithの係数が0.95と一番高いですね。
どうせ海外のデータだろうと思っていたら、著者が日本人でした。
信仰ですか…。そういえば、「信じるものは救われる」という言葉もありますね。
自分が危ない状態になったら、信仰について勉強してみてもいいかもな…とちょっとだけ思いました。

余談ですが、Pokkuriというワードが出てきてびっくり
a.k.a."sudden death"ってことみたいです。
Pokkuriも悪くないですが、やはりdying as one sleepsがgood deathかなと個人的には思います。

どんなに医学が進歩しようとも、死から免れることはできません。
Good Deathを模索することは今後の課題となるのではないでしょうか。